介護を必要とする方の自宅や、介護サービスを提供する事業所、店舗や施設など、バリアフリーへと改修するケースが増えてきました。
日本は高齢化が進んでいるため、身体が不自由な方や杖・車椅子を利用している方でもスムーズに移動ができるように、建物をバリアフリー化することへのニーズは高まっているからです。
バリアフリー改修することは、介護を必要とする方だけでなく、介護する方にとっても負担を軽減することにつながります。
そこで、バリアフリー改修ではどのようなことが求められるのか、改修する上で押さえておきたいポイントについて説明していきます。
高齢者にとって危険が少なく、たとえ身体に障害があってもある程度は自立した生活が送れることを基本として行われるのが「バリアフリー改修」です。
介護保険制度を使って、福祉用具を貸与または購入したとき、その福祉用具をスムーズに使用できる環境整備のためでもあります。
親世帯・子世帯が同居している二世帯住宅では、高齢者だけでなく介護者や同居する家族の負担を軽減するための改修ともいえます。
バリアフリー改修ではできるだけ広くゆとりを持った設計が必要ですが、限られた敷地や柱などの構造体などを中心とするため、改修するときに基本となるポイントを抑えておきましょう。
バリアフリー改修は、
・床の改修
・手すりの設置
・ドアの変更
など様々な方法があります。
それぞれの方法で押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
バリアフリーでは床の段差を取り除くことが基本となり、1センチにも満たない段差で解消するべきといえます。
視力が低下すると段差が見えにくくなり、転倒リスクを高めます。
さらに歩行器や車椅子で移動するときには、たった数ミリの段差だとしても、段差を越えにくくなり移動困難になってしまいます。
床を改修することや、スロープの設置、滑りにくい床材を選ぶといったことで対応しましょう。
手すりを設置することで、自力歩行を助け転倒を防止できます。
ただし寝たきりの方にとっては介助の妨げになることもあるため、介護を必要とする方の病気や障がいの状態に合わせて設置したほうがよいでしょう。
押したり引いたりしなければならない開き戸は、車椅子がドアに引っかかるなど問題が起きてしまいます。
そのため基本的に引き戸へ変更し、ドアノブもレバーやバータイプのものを用いると、手指が不自由でも自力で開閉しやすくなります。