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警備を本業とする企業が始めた介護事業が好評である理由とは?

2019.12.22
分類:経営

機械警備や常駐警備など、警備事業を行う綜合警備保障株式会社(ALSOK)は、ホームセキュリティサービスに加えて、見守りシステムや介護施設の運営など、高齢者に関わるサービスを展開しています。

介護と警備で共通部分でもある、安心や守るといったことで信頼できる点が何よりの強みといえるでしょう。

企業警備からホームセキュリティ、そして介護業界に

ALSOKが介護事業を始めたのは2012年で、首都圏を中心として在宅介護に施設介護、福祉用具販売、レンタルなどを総合して提供する事業基盤を整備しています。

もともとは銀行や一般企業などの警備を行っていたのが、だんだんと個人を対象としたホームセキュリティにも進出するようになり、家や財産を守るといったことから高齢者を見守るみまもりサポートなどへと繋がったのでしょう。

介護業界への参入もこれらの事業が延長した上でのことで、みまもりサービスなどを利用している顧客が、介護サービスも利用するといった流れになっているようです。

 

安心を届けてきた企業という強み

いざというときは要請のあった家に駆けつけて、常に安心を提供してきたからこそ、介護事業においても信頼に繋がるといった大きな強みがあります。

施設に入居した後も、施設自体の警備も本業として行うので、より安心して利用できるのでしょう。

オリンピック選手への支援などにも積極的に取り組み、スポーツ界との関わりで元気なイメージもあることから印象もよいようです。

また、高齢者の健康づくりや介護予防として、「ALSOKあんしん体操」を開発し介護施設での実践や、シニアヨガインストラクターによる「ALSOKあんしんヨガ」を開発したりなど、無理せず体操やヨガを楽しむことができる取り組みにも力を入れています。

 

介護業界共通の悩みである人員不足にはどのように対応する?

規模を拡大しながら常に新たな試みを続けているようですが、問題視されている介護スタッフの人員不足についても、ICTを活用し省力化することで対応するようです。

給源拡大という意味でもシニア人材も活用することを検討し、警備事業でもガードマンによる警備体制からオンラインセキュリティシステムに無人管理システム、警備ロボットなどを活用するなど、時代の流れに遅れを取らない機械化や省力化を図るといったこともこれまで行っています。

これらのノウハウが介護事業でも応用されていくことが予想されますので、今後はますます規模が拡大するかもしれません。

 

他にはない強みや差別化できる何かを見つけること

それなら当事業所も…と考えたとしても、やはりすべてオンライン化や機械化するには投資資金も必要です。

ただ、ALSOKが本業である警備の特徴を上手く介護事業に繋げたように、規模が小さな事業所でも他にはない差別化できる何かが見つけることができれば、好転する可能性があるのかもしれません。