介護を必要とする方の家族の中には、今は介護施設を利用しているけれど、自宅に移したほうがよいのだろうか…と考える方もいることでしょう。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、介護施設でクラスターが発生したこともあり、在宅での介護のほうが安心と考える方が増えたからともいえます。
さらに在宅介護のほうが、施設に入所するよりも費用負担が軽くなるため、収入の減少などを理由に検討するケースが多くなったとも考えられます。
そこで、利用者をアフターコロナに施設から自宅に移すことになったら、どのようなことに注意しなければならないか説明していきます。
新型コロナウイルス感染流行により、全国各地の介護施設でクラスターが発生する例も見られ、問題となっていました。
感染症が原因で重症化しやすい高齢者にとって、流行拡大エリアの介護施設などでは入所者に帰宅をうながすケースもあったようです。
日本は少子高齢化により高齢者人口が今後も増えていくと考えられますが、介護施設の現場で働くスタッフは足りておらず、在宅介護への移行が進められています。
住まい・医療・介護・生活支援を包括して提供する「地域包括ケアシステム」に対する取り組みも、それぞれの市区町村で進んでいるといえますが、今後もその流れは強まっていくといえるでしょう。
これまで介護設備などが整った介護施設で生活していた利用者が、自宅に帰って介護を受けることになったとき、まず困るのは自宅がバリアフリーではないことでしょう。
手すりや介護用ベッドがなければ、介護をする側も受ける側も不便であり、生活において危険が伴うことにもなりかねません。
在宅介護で自宅をバリアフリー化する介護リフォームのうち、特に手すりの取り付けは足腰が弱い高齢者にとって必要なことといえます。
自宅に手すりを取り付けるなど介護リフォームするときには、介護保険の補助金を活用しましょう。
要支援または要介護認定を受けている方であれば、支給限度基準額20万円の9割まで補助金が支給されます。
途中で要介護度が重くなったときや転居したときには、再度20万円まで支給されるなどメリットのある制度です。
ただし補助金支給は一定の要件を満たすことや、原則、申請が必要となるためケアマネジャーがしっかりと相談に応じることが必要といえます。