日本の介護業界は慢性的な人手不足であり、外国人労働者の受け入れが重要と考えられています。
そこで、外国人労働者を介護職として雇用するときには、どのような制度を活用できるのか説明していきます。
介護職は深刻な人手不足の問題を抱えていますが、2025年までに34万人の介護人材が不足するともいわれているほどです。
国も政策として、外国人労働者を介護人材として受け入れることを進めていますが、外国人労働者が介護現場で働くときには、次の4つの制度を活用することになります。
・EPA介護福祉士候補者
・在留資格「介護」
・技能実習
・特定技能
それぞれ説明していきます。
「EPA介護福祉士」とは、経済連携協定に基づく外国人介護福祉士候補者を意味します。
候補者になるには、次の要件を満たすことが必要です。
・訪日前に日本語研修機関による6~12か月の日本語研修を受け日本語能力試験を修了すること
・訪日後に日本語研修機関による2.5~6か月の日本語研修を修了すること
・介護事業所で雇用され研修を受けること
・入国4年目に国家試験を受け介護福祉士の資格を取得すること
・介護福祉士として引き続き就労すること(在留期間制限なし)
日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」を持つ外国人を雇用することもできます。
介護福祉士養成校へ入学する要件は、
・日本語能力検定がN2以上に合格する
・日本語教育機関で6か月以上学び日本語試験でN2相当以上と認められる
などいずれかが必要です。
実際に介護現場で働くには、
・介護福祉士養成校へ留学
・介護福祉士の資格を取得する
・介護事業所で雇用される
といった流れを踏むこととなります。
技能実習制度活用により外国人の技能実習生を雇用することもできます。
技能実習生は、日本の介護現場に一定期間受け入れることで、母国にその技能や技術を持ち帰ってもらい母国の経済の発展に役立ててもらうことを目的とします。
そのため介護と同様の業務に従事した経験がある方や、帰国後に介護現場で習得した技能を活かす業務に従事することが予定される方が対象となります。
2019年4月にスタートした特定技能は、就労を目的とした外国人人材を受け入れる在留資格です。特定技能には1号と2号と2つの種類がありますが、介護職は1号となり、在留期間は5年までと規定があります。
特定技能1号は技能と日本語能力の2つの水準を満たすための試験に合格することが必要です。