介護業界を規制する法律には、
・介護保険法
・労働基準法
の2つがあります。
介護保険法とは介護施設やその職員の行為規制を定めており、労働基準法は職員雇用にあたり遵守しなければならない事項を定めています。
他にも刑法や個人情報保護法など、介護施設を経営するためにはいろいろな法律が関係します。
そこで、介護業界を規制する法律である介護保険法と労働基準法の違反に該当するケースについて紹介していきます。
介護保険法のコンプライアンス違に該当するケースとして、次の2つが挙げられます。
・介護報酬不正請求
・人格尊重義務違反
それぞれ説明していきます。
介護報酬不正請求は、介護事業の指定・許可の取消し事由とされており、発覚すれば指定・許可の取り消しなど行政処分を受け、その内容が公表されることになります。
経営陣主導で行うことが多い行為であるため、経営陣を監視する体制整備が求められます。
介護施設で働くスタッフには、利用者の人格を尊重して利用者の立場に立ち、介護を行うことが義務付けられています。
介護事業者も同様に、利用者の人格を尊重することが義務化されているため、人格尊重義務違反が発覚すれば、介護施設の職員は登録削除、介護事業者は指定・許可の取り消しと公表処分の対象となります。
介護職員の意識を向上させ、過度にストレスをため込まないような体制整備が求められます。
介護施設で問題となりがちなのが、長時間労働です。
長時間労働の常態化は労働基準法のコンプライアンス違反に該当するため注意が必要ですが、特に次の2点は違反になるケースとして挙げられます。
・サービス残業の強制
・法定労働時間を超えた長時間労働
それぞれ説明します。
残業した場合には、1分単位で残業代が発生します。
過少申告を強制することは、労働基準法に違反することになり、労働基準監督署の行政指導や刑事処分の対象になるため注意してください。
従業員に使用者から残業を命じる場合、労使協定(36協定)で定めた時間の範囲でのみ認められます。
そのため労使協定(36協定)の上限を超えた残業を命じることはできず、違法行為があった場合には労働基準監督署による行政指導・刑事処分の対象になりかねません。
違法な長時間労働はサービス残業とセットで発生するケースが多いため、労働環境を適切に整備することが必要です。