介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設で働く介護職員の離職率が高い理由とは?

2020.03.14
分類:総務

介護業界は離職率が高いといわれている業界ですが、実際に離職率は高いのか、そもそもなぜ離職してしまうのかその理由は何なのでしょう。

そこで、介護職員が定着しにくい状況となっている介護施設の実態についてご説明します。

介護施設の離職率は実際どうなのか

平成28年度の介護労働実態調査を確認すると、介護業界からの離職率は16.7%でした。これは、介護現場で働く方の56人のうち1人が職場を離れていることになります。

介護現場で働いていたのに、退職してしまった理由として最も多いのが人間関係に問題があったことという意見が多く、続いて結婚・出産・妊娠・育児、職場の理念や運営への不満、収入が見合わないといった理由です。

介護業界は離職率が高い上に、募集を掛けても人材が集まらないという採用困難な状況にある業界といわれており、常に職場は人手不足の状態というケースもめずらしくありません。

 

なぜ介護施設は人間関係に問題が発生しやすい?

人間関係に問題が生じるのは、忙しさのあまりスタッフ1人が抱える業務が増えすぎて、スタッフ同士の連携がうまくいないことが背景にあるのかもしれません。また、スタッフが足りていないことで十分な介護サービスにつながらず、利用者とのトラブルが発生しやすいことが背景となっているとも考えられます。

いずれにしても人間関係による退職の理由が多いからといって、たまたま一緒に働いている方同士の性格が合わなかっただけと考えるのではなく、職場環境の改善が必要であると考えるべきです。

 

看護師から介護スタッフへの連携が取れていない

他にも人間関係を悪化させる要因として考えられるのは、同じ部署に同じ人員が長くとどまっている状況の場合、新しいスタッフがその部署に配属されると、その部署からの視点での教育が行われることとなります。

そうなると他部署から見たときの視点で不都合が生じることであっても、自らの部署を優先した行動を起こしてしまいがちとなるため、人間関係がぎくしゃくしてしまう要因となりかねません。

さらに介護職員と看護師との仲が悪いという場合などは、医療的な処置に対する指示を看護師から介護職員に行うときの態度が高圧的と捉えられがちであることが原因です。

実際にそのような態度をとったつもりはなくても、勘違いから人間関係を悪化させやすくなると理解しておきましょう。

 

コミュニケーション不足が人間関係を悪化させる

介護施設は常に人手が不足していることもあり、ゆったりとスタッフ同士がコミュニケーションをとれないことも少なくありません。

話せばわかることもその時間がとりにくく、人間関係にひずみを生じさせる要因となっていることもあります。

そのため、円滑な人間関係には現在介護業界で問題しされている人手不足の課題を解消することも必要だと認識しておくべきです。