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就業規則に必ず記載が必要である給与に関する定め「賃金規定」とは?

2023.06.28
分類:総務

介護施設に限らず、就業規則の中で賃金に関することは「賃金規定」や「給与規程」として定めることが必要です。

法律上、記載することが義務付けられている事項もあるため、具体的にどのような内容について記載が必要になるのか、給与に関する定めである「賃金規定」について解説していきます。

賃金規程とは

常時10人以上使用する事業所で、就業規則作成と所管の労働基準監督署への届出が義務付けられていますが、就業規則には必ず盛り込まなければならない「絶対的記載事項」と制度として設けているときに記載しなければならない「相対的記載事項」があります。

賃金規定は「賃金」に関する項目であり、絶対的記載事項では「給与」、相対的記載事項では「賞与」や「退職金」に関する事項を記載することになります。

賃金は従業員の生活の糧となる部分であり、詳細な取り決めが求められるため、賃金規程または給与規程として別規程で作成されることが一般的といえます。

就業規則作成・変更するときには、会社が勝手に行うことはできず、労働者の過半数が所属している労働組合の代表者や、労働組合がなければ労働者の過半数の代表者の意見を聴取することも義務付けられます。

賃金規程も就業規則の一部であるため、労働者の代表者の意見を聴取し、書面化した後に労働基準監督署の届出に添付することが必要になります。

賃金規程に記載する事項

賃金規程のうち、絶対的記載事項として含めなければならない項目は以下のとおりです。

・賃金決定や計算方法(基本給・年齢給・職能給・住宅手当・扶養手当など賃金を構成する要素とその計算方法)

・支払い方法と支払い時期(現金払い・振込みなどの支払い方法と毎月の支払い日)

・集計対象となる期間(給与を集計する対象期間)

・昇給に関すること(昇給の基準や時期)

賃金規程のメリット

常時10人以上を使用する事業所以外にも、賃金規程を設けておくことは、使用者と従業員どちらにもメリットがあります。

まず給与として支払われる金額について、賃金規定で給与計算の根拠を示すことにより、支給額を巡るトラブルを防ぐことができるでしょう。

さらに昇給基準などない場合には、いつ昇給するのかタイミングの見極めも困難です。

このような場合、賃金規程で昇給時期や基準を明確化すれば、従業員のモチベーションを向上させることができるでしょう。