施設系の介護事業所の場合、労働時間管理が複雑になりがちといえますが、適切な管理が求められます。
夜勤などが発生するため、シフト制の働き方の施設では特に注意したいことですが、介護事業所の事務員と介護スタッフの労働時間について解説していきます。介護事業所で事務員として働く従業員については、介護現場でケアを担当する介護スタッフと異なり、特殊な時間管理を必要としません。
そのため原則とされる1日8時間・1週40時間制で対応しても問題ないといえます。
入所型の介護施設などで働く介護スタッフの場合、365日24時間をスタッフ同士が交代で勤務しながらカバーすることが必要です。
交替勤務制の場合、1日の勤務時間は8時間を超えることもありますが、変形労働時間制を導入することにより法定労働時間を超えた勤務が可能となります。
変形労働時間制とは、1週間あたりの労働時間が40時間以内の場合において、1日8時間を超えて労働できる制度です。
夜勤1回の拘束時間が長くなるものの、夜勤明けや休日などの調整で変形労働時間制の時間内におさまれば問題ありません。
さらに変形労働時間制では、社会福祉施設などは「特例措置対象事業場」に該当するため、1週間あたりの労働時間は44時間まで緩和されるなど、通常の変形労働時間制より長い時間労働できることになっています。
介護スタッフが月何回夜勤に入ることができるかについては、次の3つの勤務形態によって異なるといえます。
・夜勤専従の介護スタッフ
・2交代制勤務の介護スタッフ
・3交代制勤務の場合
それぞれ解説していきます。
夜勤専従の介護スタッフは、夜勤のみで働く勤務形態であるため、夜勤回数は多くても月10回前後です。
2交代制の夜勤の場合、夜勤1回16時間となるため、1週間あたり44時間以内におさめるとすると、1週間で働くことができるのは2日になるため、1か月10回前後と計算されます。
2交代制勤務の介護現場の場合、月あたりの夜勤回数は4回以上であるケースが7割を占めています。
3交代制勤務の介護現場の場合、月あたりの夜勤回数は6日以下である場合が6割となっていますが、2交代制の現場よりも1回あたりの勤務時間も短くなることから、その分回数は増えると考えられます。