歩くことが難しい方が移動する際に使用することが多い車いすですが、介護施設などではまったく歩行ができない方ばかりではありません。
車いすを介護施設で利用できるように置いてあれば、歩行が難しくなくても使うことは可能です。
ただ、車いすを使った移動のほうが楽だと利用者が考えるようになれば、自らの力で歩くことをやめてしまうかもしれません。そこで、介護施設で車いすを使いはじめるのなら、どのようなタイミングが適しているのでしょう。
認知症の疑いがない方のうち、介護施設で車いすを使っているのは要介護3以上の認定を受けた方が多いようです。
リハビリの一環として自らの力で歩くように努力することも大切なので、要介護3以上の認定を受けていないのにすぐ車いすを使ってしまえば、だんだんと足の筋肉が衰え自力で歩行することが難しくなるかもしれません。
介護施設には手すりなども設置されているため、できる限り自分で歩くことが可能な間は車いすを使わないほうがよいといえるでしょう。
また、本来なら歩行が可能なのに車いすを利用してしまうと、移動中に利用者が車いすから降りようとして転倒する可能性もあります。
高齢の方の場合、骨の強度も低下していることから骨折してしまい、そのまま寝たきり状態になることもあるので注意が必要です。
仮に寝たきり状態となった場合、また自力で歩行できるようになるまで時間がかかりますし、自力歩行が難しくなることもあります。
介護施設内には手すりが設置されていたり、段差がなくされていたりとバリアフリーなので歩行も容易です。しかし外出先が同じであるとは限らないため、安全な状況といえない場合に車いすを利用する方もいます。
一歩介護施設から外に出れば、少しの段差につまずいて転んでしまうリスクもありますし、疲れて途中で歩けなくなることもあるようです。
もし足が疲れてもすぐに休むことができる場所があるとも限りませんので、外出時のみ車いすを利用することや、併用して足が疲れたときには休むことができる環境整備の1つとして使うこともあるようです。
一般的に車いすの使用は要介護3以上の認定を受けた方としているものの、歩行が難しい場合などはケースに応じて使い分けることも行いましょう。