介護施設では、災害などが発生したことによる緊急事態において、どのような対応を求められるか事前に把握しておく必要があります。
高齢者が利用している施設だからこそ、防災対策だけでなく、実際に災害が発生したときの対応はとても重要といえるでしょう。
そこで、介護施設で必要な緊急事態における防災対策や災害発生時の対応について解説していきます。
介護施設や介護サービス事業所では、感染症や災害への対応力強化が必要とされており、そのような緊急事態が発生した場合でも継続して介護サービスを提供する体制を整えるための「業務継続計画(BCP)」作成・研修や訓練の実施が義務づけられています。
どの介護施設や介護サービス事業所にも、防災対策について考えることと、その内容を業務継続計画として形にすることが求められます。
介護施設が防災対策を検討するとき、まずは施設を利用している高齢者のための防災について考えることが必要です。
さらに実際に災害が発生したときにどのように行動するか、高齢者にも理解してもらうことが重要であるため、次の2つについて周知しておきましょう。
・避難時の持ち物
・災害時の対応
それぞれ説明していきます。
災害が発生したときの避難において、高齢者が持ち出したい物は以下の通りです。
・普段服用している内服薬・外用薬
・健康保険証・お薬手帳・介護保険被保険者証・障害者手帳
・ヘルプカード
・常備薬
・非常用食料(ゼリードリンク・ミネラルウォーターなど)
・杖・眼鏡・コンタクトレンズなど
・歯磨きセット・入れ歯洗浄剤
・下着・紙おむつ・ウェットティッシュなど
・スマートフォン
高齢者本人が意識しておきたい災害対応として、以下のことが挙げられます。
・避難において家族や近所の方にサポートしてもらう
・移動できないときは助けを呼ぶ
・安全な場所で救助を待つ
・自宅にとどまる場合はその旨を届け出る
・水分補給を行う
・トイレを我慢しない
・内服薬や外用薬がなくなった場合には避難所の医療スタッフに相談する
・ヘルプカードで周囲に配慮してほしいことを伝える
・清潔を保つ
・衣服や毛布で体温調節をする
・睡眠を取る
・気分がすぐれない場合などは医療スタッフに相談する
介護者が普段から高齢者に対し、災害対応について説明しておくことが大切です。