現在、介護業界では業務を効率化させることに加え、サービスの質を向上させることを目指して、サポート機能としてロボットを導入し、ICT化させることを国が推進しようとする動きが見られます。
日本は今後、ますます高齢化が進むとされており、介護ニーズは高まる一方です。そのような状況の中、人手が足らず業務を円滑に進めることができず悩んでいる介護事業所も少なくありません。
このような介護業界が抱える悩みを解決するために、サポート機能としてICT化を導入することを検討しているようです。
ICTとは情報通信技術のことで、パソコンだけに限らず、様々なコンピュータを用いた情報処理や通信技術のことを指しています。
人手不足の状態で業務を効率的に行うことは難しいとはわかっていても、介護は人対人で行うサービスがメインとなるため、ロボットやICTを導入することに懸念が生じてしまうのも無理はないのかもしれません。
ただ、生産性を高めるために業務をICT化することは他の産業でも進んでいることであり、介護業界でも今後は標準化すると考えられています。
すでに介護ロボットの導入を進めている施設などもありますし、介護請求システムや介護記録システムを導入し始めた介護事業所も少しずつ増えつつあるようです。
2060年には2.5人に1人が65歳以上になるなど、日本の少子高齢化への流れは止めることができません。2043年まで高齢者人口は増え続けるケアマネジャーに対し、15~64歳までの生産年齢人口は段々と減少していきます。
そもそも日本は人口が減少しているのに加え、生産年齢の減少、さらには介護職を希望する若年世代が少ないことなどで、介護現場で働く人材はさらに不足することに拍車をかけてしまう可能性があります。
人口推移だけを確認しても人材を獲得することは難しいと考えられるため、介護記録をICT化させ業務を効率化させることが欠かせない時代がやってくるかもしれません。
ただ、介護記録をシステム化することでデータを見える化できれば、それまでに蓄積されたデータをスムーズに分析できるようになり、市場動向や利用者心理などを予測することもできるようになるでしょう。
他の介護事業所と差別化が可能となる先進的な取り組みに繋がる可能性も広がります。
介護ロボットの導入数は少しずつ増えているようですが、まだ十分に普及しているとはいえない状況なのは、導入コストが高額であることも理由といえるでしょう。
ただ、最近では自治体が補助金制度を導入するなど、長い目でみれば人件費を削減することにも繋がる可能性がありますし、介護スタッフの負担軽減にも役立てることができます。
ロボットやICTを上手く介護現場に活用することで、よりサービスの質が向上する可能性があると考えられるでしょう。