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これは労働基準法違反に該当する?介護施設でのルールは正しいのか

2021.02.15
分類:総務

介護業界は人手不足という問題を常に抱えていますが、仮にスタッフを募集しても応募されない、または応募がきても優秀な人材に巡りあえないことに苦労する施設などもあります。

そもそも低賃金で激務というネガティブなイメージが強い介護業界ですが、労働基準監督署などからも指導されるようなブラックな職場なのだろうか?と疑問を感じる方もいるようです。

サービス残業が発生すると長時間労働に

介護施設は24時間稼働し続けるため、夜勤で働くスタッフも当然います。シフトを組んで介護スタッフが交代で働くケースもあれば、夜勤のみを希望するスタッフを雇用していることもあるでしょう。

ただ、介護施設の朝はとても忙しいため、夜勤の方が日勤者を手伝って勤務を終えることになった場合や、日勤者が朝のシフトよりも早めに出勤しモーニングケアを手伝うといったことはサービス残業することにもなります。

結果として介護スタッフは長時間勤務しなければならなくなるため、1か月や1年を区切りに平均して一週間の労働時間を40時間にする変形労働時間制を採用している介護事業所も多いといえます。

 

夜勤には睡眠時間の設定が法律上必要?

仮に16時間の夜勤をする場合に睡眠時間を間に設けなければ違法になるのでしょうか。

法律上、睡眠時間を明確化させる必要はないとされています。ただ、休憩については労働基準法で、労働時間6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上与えることが必要となっています。

16時間勤務であれば60分以上の休憩時間が必要ですが、1人で夜勤を担当していれば利用者からナースコールで呼び出されることもありますし、トイレ介助などで1時間丸々休憩をとることは難しいと考えられます。

そのため厳密には夜勤中の1時間の休憩時間は、法律上の休憩時間には該当しないとされています。

本来であれば法律に違反していると考えるべきなのでしょうが、夜勤現場では仕方がないとあきらめてしまっているのが現状です。

しかし介護事業者は、スタッフが交代で休憩をとることができるようにするなど、夜勤スタッフの増員など検討することが求められます。

 

夜勤を宿直扱いにしてもよい?

夜勤はあくまでも法定時間内の勤務なので、原則18時間・1週間40時間で勤務することになります。

深夜割増手当も発生することになりますが、宿直は法定時間外の勤務なので上記の時間以外で業務が可能であり、深夜割増手当も支払う必要はなくなります。

ただ宿直の場合は労働基準監督署長の許可を取ることが必要なので、その点が大きな違いであり夜勤を宿直扱いにすることはできないと認識しておいてください。