中小が運営している介護施設などの場合、新卒採用を考えているけれど応募がなく、新しく若い人材を雇用することができないといったケースはめずらしくありません。
新卒採用してみたいけれど、何をすればよいかわからないという介護施設の経営者も少なくありません。
しかし中小の介護施設でも中途採用だけでなく新卒採用も検討したほうがよいといわれていますが、その理由は何なのでしょう。
新卒採用される人材とは、学校を卒業したばかりの社会人としての経験がない方です。
そのためそれまで学生として過ごしてきた方介護現場で新卒採用され、バリバリと現場で活躍する人材になるためには、福祉関係の学部・学科の大学や介護・福祉関係の専門学校などで専門的な知識を学んでいることが必要といえます。
そもそも介護現場で働きたいと考えた方の多くは、高齢者が好き、介護の仕事にやりがいや魅力を感じるといった理由があるからでしょう。
しかし中にはもともとは別の業界で働きたいと考えており、他学部に所属していたものの介護・福祉業界に興味を持ち、新卒採用され入社する学生なども一定数います。
そのため新卒採用を希望する介護施設は、介護・福祉を学んでいる学生だけにポイントを絞るのではなく、他学部からの採用もあわせて検討してみるとよいといえます。
2020年4月入社の大学生・大学院生を対象とした大卒者の有効求人倍率は、1人あたり1.83倍でした。
まさに売り手市場といえる状況だったわけですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、学生が優位な状態にも変化が見られつつあります。
さらに介護業界の有効求人倍率は4.3倍だったため、一般の業種よりも人が集まりにくいことをあらわしています。
新型コロナの影響で採用を中止や延期という対応をする企業も増え、2020年6月時点で就職内定率56.9%にまで下がり、2019年と比べるとその下落は21.1ポイントという状態です。
今後は介護・福祉業界に人材が流入することも予想されるため、これまでよりは人材確保しやすくなる可能性は出てきます。
中途採用で人材を雇用した場合、介護現場には年齢の偏りが生まれてしまいます。
組織の年齢構成が高年齢化することになるため、バランスのよい年齢構成の組織をつくるためにも新卒採用を検討しましょう。
また、中途採用よりも新卒採用されたスタッフのほうが定着率がよいといわれており、質の高い安定したサービスを介護施設で提供し続けるためにも必要なことです。安定した介護施設運営のためにも、新卒採用は大きなメリットがあります。