介護事業者の中には、介護現場で働くスタッフの職員年齢が高いことに不安を感じていることもあるでしょう。
しかし定年した後でも第二の仕事を探している方にとっては、再スタートできる新たな職場として介護事業を選ぶケースも少なくありません。
そこで、実際に介護事業で働く職員年齢はどのくらいの方が多いのか、特に年齢にとらわれることのない介護の魅力についてご説明します。
介護現場で働く労働者の就業形態は、非正規職員に大きく依存している傾向が見られます。
また男女別に見たときには、男性は40歳未満が主流なのに対し、女性は40歳以上の割合が高いことも特徴といえるでしょう。
介護職員は30~49歳が主流ですが、訪問介護では60歳以上が約3割を占めており、さらに採用の状況は中途採用が8割以上を占めています。
このように、比較的職員年齢は高めなのが介護事業の特徴といえますが、それには次のようなことが理由として挙げられます。
介護施設で行う業務は、利用者が快適に生活を送るためのサポートであり、介護スタッフの人生における人との関わりや経験を役立たせることができることが特徴です。
介護職は人を相手とする仕事であり、社会経験が浅い若い世代よりも、人生経験を積んできたシニアの方が有利ともいえます。
たとえば主婦の方なら、近所や親戚との付き合いで培った気遣いを活かすことができるでしょうし、子育てによる経験なども現場で役に立つことがあります。
年齢の高い方であれば人を不快にさせることのない接遇マナーが社会人としてすでに身についていることが多いので、大きなメリットといえるでしょう。
介護施設に入所している方の多くは80代前後のため、親世代または同年代という介護スタッフもいるでしょう。
若い世代の方であれば、利用者の年齢から見れば孫やひ孫のような立場となりますが、齢の高い介護スタッフであれば利用者と年齢も近く、昔の思い出や趣味の他、健康への悩みなどいろいろと共感できる部分が多いといえます。
利用者との何気ない会話を積み重ね、互いに信頼関係を築くことは大切なことなので、共感できることが多いのはメリットにつながるはずです。
20代や30代の介護スタッフになると、子育て中の方も多く日中のみしか働くことができません。
しかしシニア世代であれば、早朝の時間帯や夕方以降でも柔軟な働き方が可能となるため、体力に問題のない範囲で働きながら社会貢献しつつ稼ぐこともできます。