介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者が注意しておきたい年次有給休暇の取得基準

2021.09.06
分類:総務

介護事業者は、介護施設で働く介護スタッフにしっかりと年次有給休暇を与え取得してもらうことが必要です。

しかし人手不足などを理由に、十分に年次有給休暇が取得できていない介護事業所もあるようですが、、年10日以上有給が発生している介護スタッフは有給発生日から1年の間に最低5日間の有給を消化させることが義務化されています。

そこで、介護事業者が注意しておきたい現在の有給休暇の取得基準についてご説明します。

現在の年次有給休暇の取得基準

介護事業者に限らず、どの業種でも正社員やパートタイムなど雇用形態に関係なく、有給休暇取得には基準が設けられています。

入社して6か月続けて勤務し、働いた期間の労働日の8割以上出勤すれば10日間、年次有給休暇が付与されます。

さらに1年間継続勤務し、働いた間の出勤率が8割以上なら11日間の年次有給休暇を介護スタッフに与えなければなりません。

介護業界の場合、年次有給休暇が付与されているのに取得しにくいと感じている介護スタッフが多く、そもそもパート労働者は年次有給休暇を取得する権利はないと誤解しているケースもあります。

存在を知っていても取得を申し出る雰囲気でないなど、深刻化する人員不足が休みを取りにくい環境を作ってしまっているといえるでしょう。

しかし2019年4月1日から年次有給休暇を年5日取得が義務化された以上は、必ず有給発生日から1年の間に最低5日間は有給消化してもらう必要があります。

 

注意したいのは年次有給休暇だけではない

年次有給休暇だけでなく、時間外労働についても上限規制が設けられています。

時間外労働の上限は、月45時間・年間360時間までとなっており、繁忙期などの事情があっても月100時間未満・26か月平均80時間・年720時間という上限を守る必要があります。

 

守らなければ罰金が科せられることに

5日有給休暇を取得させなければ30万円以下の罰金の対象となり、介護事業者による時季指定を行うときに就業規則に記載がなければ30万円以下の罰金が科せられます。

また、介護スタッフが請求する時季に所定の有給休暇を与えなければ6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるなど厳しいものになっているため注意しましょう。

介護業界は人材不足で、現場のスタッフが1人休めばたちまち他のスタッフへの負担が大きくなるといった状況になりやすいですが、安心して休暇を取得してもらえる環境整備が重要といえるでしょう。