介護施設で働くスタッフの中には、家族の介護と仕事を両立させながら働きたいと考える方もいることでしょう。
介護事業者も、スタッフが家庭と仕事をうまく両立しながら働くことをサポートできれば、介護離職を防ぐことにつながります。
そのためにも短時間勤務などをうまく活用していく必要がありますが、介護短時間勤務制度とはどのような制度なのかご説明します。
介護短時間勤務制度とは、2週間以上要介護状態の家族を介護している労働者が、勤務する時間を短縮できる制度のことです。
介護対象となる家族1人あたり連続3年以上の期間で、少なくても介護短時間勤務を2回以上利用可能とすることが必要とされています。
日本は高齢化と長寿化が進んでいるため、家族の介護を働きながら行っている方も少なくありません。
介護をしながら働くスタッフの不安や体力・精神的負担を軽減させるためにも、介護短時間勤務制度は必要と考えられるでしょう。
なお、入社して1年に満たない方や1週間の所定労働日数が2日以下の方などは制度の対象から除外することができます。
介護を必要とする家族は、医療機関に受診することなど行いやすくなり、介護休業からスムーズに復帰することができます。
また、介護を理由に退職することを防ぐこともできるため、人材不足で悩まされている介護業界にとってもスタッフのワークライフバランスを守ることは大切と考えるべきです。
ただ、短時間勤務が長くなればキャリアに対し不安を抱えるスタッフも出てくるでしょう。
年齢的にも中堅的な立場にあったり管理職だったりなどの場合、他のスタッフの負担が大きくなることや、別途人を雇用しなければならないことに不安やストレスを感じることもあるようです。
また、介護短時間勤務を取得し勤務時間が短くなった時間分は、給与から控除されれば収入が減ってしまいます。
ただし社会保険料が変更になるのは固定的賃金(基本給や手当など)が変更になったときなので、介護短時間勤務で社会保険料の変更の手続きはできず、より手取りが少なくなってしまうでしょう。
もし短時間勤務制度を導入することが難しいときには、代用として次のいずれかの制度を導入するようにしましょう。
・フレックスタイム制度
・時差出勤制度(始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ)
・介護サービス費用を会社が助成する制度