介護事業者の多くは、事業所を経営する上で従事者が不足していることに悩みを抱えています。
採用そのものに難しさを感じているのなら、離職することを防ぎ定着率を高めるための改善策として、人材育成に力を入れていきましょう。
近年、日本は急速に高齢化が進んでいるため、今後も高齢者が増えることを考えれば、介護に対するニーズも多様化していくと考えられます。
しかし介護サービスの形が多様化した場合でも、介護業界で働く従事者を補うことができなければ、質の高い必要なサービスを提供するに至らない状況となるでしょう。
介護関係の職種の有効求人倍率は4倍近い割合のため、コロナ禍で落ち込んだ1割を切る有効求人倍率と比較すると、突出して高い割合です。
その中で人材確保に苦しむ介護事業者が多いのは、少子化による生産年齢人口が減少していることに加え、離職率が高い業界であることが関係します。
特に訪問介護員や非正規の介護職員は、3割が3年未満で離職しており、短い期間で辞めてしまう状況です。
介護従事者獲得に向け、高い採用コストや時間をかけて雇用しても、すぐに辞めてしまえば意味がありません。
介護事業所の利用者にとっても、次々にスタッフが入れ替わる施設と、いつも同じスタッフがお世話してくれる施設ではどちらがよいと感じるでしょうか。
離職率が高ければ、その分従事者のスキルもアップさせにくくなり、提供するサービスの質も低下していくでしょう。
利用者に良質な介護サービスを提供していくためにも、人材育成の仕組みを作ることが必要です。
人にはそれぞれ個性があり、人材は財産ととらえ投資するべきです。人格や人権は尊重しながら適性を見極めつつ、現場で必要な知識や技術を習得してもらえる教育を行っていきましょう。
従事者のスキルや仕事に対するモチベーションが上がれば、現場の雰囲気もよくなりサービスの質も向上していきます。
働きやすい職場と認識してもらうことで定着率を上げ、利用者やその家族、連携機関等からの評価も上がっていくと考えられます。
利用を希望する方も増えれば、収益自体もアップさせることにつながりますので、介護事業者が事業を安定させ安心して経営を続けるためにも、人材育成の仕組みを作ることが必要です。