介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

転職歴が多い方でも介護事業者は受け入れるべき?

2021.11.09
分類:総務

日本は急速に高齢化が進んでおり、介護を必要とする高齢者も増えていますが、その高齢者を支える介護事業へのニーズは高まるばかりです。

しかし介護現場は相変わらずの人手不足の状態が続き、介護職員を募集しても人が集まらない状況です。

では、応募者があった場合において、その方の転職歴が多かった場合、介護事業者は雇用するでしょうか。

転職歴が多いとまず不安になるのは、雇用してもすぐに辞めてしまうのではないかということです。

転職歴が多いのは忍耐力が低い人物だから?

介護職はそもそも離職率が高く、過酷な労働に見合わない賃金に不満を感じて辞めてしまう方がほとんどでしょう。

しかし中にはより良い環境やスキルアップを目指せる職場で働きたいと、転職を繰り返していたら知らない間に転職歴が多くなっていたという方もいます。

単に転職歴が多いから我慢強さがない人物だと判断してしまうと、無責任に仕事を投げ出したわけではない、目標を持った能力の高い人材を雇用する機会を失うことになりますので注意してください。

 

介護業界の離職率はなぜ高いのか

そもそも介護職の離職率が高いのは、

・主にチームで動く仕事のため人間関係が複雑になりやすい

・肉体的な負担が大きい割に給与は安い

・人手不足なので長時間労働が必要となる

などが関係します。

そのため転職を繰り返す人は、いつまでたっても自分の求める要件に合う事業所が見つからず、ジプシーのように介護業界を渡り歩く方もいるようです。

転職回数が多ければ、再転職のときには不利になることが一般的ですが、その理由は採用しても長続きしないと考えられること、忍耐力がない人物と判断されやすいことが挙げられます。

転職歴が多ければ、人間関係を構築できないトラブルメーカーなのではないか?と捉えられる可能性もあります。

何度も転職を繰り返している方のうち、多いと判断される回数は個人差があっても、ほとんどが34回です。

この回数を超えるとそれぞれの事業所で働いた期間も短くなるため、十分なスキルが身についていると判断できないとマイナスイメージにつながりやすいといえます。

 

転職歴だけで判断しないほうがよい

しかし軽々しく転職を決めたのではない場合もあり、たとえばやりたい仕事ができなかったり施設の方針に納得できなかったりなど、介護職として成し遂げたいことやスキルを活かしたいというギャップに苦しんでいるケースもあるようです。

そこで、転職歴の多い方が入職を希望した場合には、何を目指して転職したのか、転職したことによってどんなスキルが身に付いたのかを説明してもらい、その内容によっては採用可否を判断するようにするとよいでしょう。

キャリアプランの実現が目的で転職を繰り返しているのなら、それほど問題と捉える必要はないと考えられます。