介護事業者は介護スタッフにしっかりとランチタイムを1時間確保してもらっているでしょうか。
介護職は休憩を取りにくそうなマイナスイメージが高く、多忙な中でゆっくりと昼食を取る時間すらないのでは…と想像する方も多くいます。
しかしそのようなマイナスイメージは、介護業界への入職者を増々減少させることになるため、もしランチタイム1時間が確保できていないのなら、ゆっくりとランチタイムを過ごしてもらえるような工夫が必要です。
介護スタッフにとってランチタイムを取る1時間は、単なる食事の時間というだけでなく気持ちを切り替えたりスタッフ同士でコミュニケーションを取ったりなど、大切な時間です。
すべての介護スタッフが同時にランチタイムを取ることはできないでしょうが、休憩時間なのに何か作業をしながら…という状況も多く見られます。
たとえば、
・休憩中も利用者の見守りをしなければならない
・入居者と一緒に昼食を食べている時間が休憩時間の扱い
・休憩を削り新人の介護スタッフの手続対応をしている
・夜勤で人が足らず休憩時間を確保できない
・休憩の時間なのに介護記録をつけている
といった状況では休憩を取っているとはいえません。
確かに介護施設によっては24時間365日体制で介護サービスを提供しなければならず、人手不足の状況であるため仕事からいったん離れることが難しいという施設も少なくないでしょう。
しかし休憩中も仕事の一部になってしまえば、介護スタッフは気持ちを切り替えたりリフレッシュしたりすることができず、1日中張り詰めた状態で働き続けなければなりません。
心身ともに疲れが溜まり、今問題となっている離職率をさらに高めてしまうことになるといえます。
そもそも労働時間の中で休憩を取ってもらうことは、労働基準法にも規定されています。
休憩時間は労働者の権利であり、使用者の義務でもあるのです。
労働基準法による休憩時間は、
労働時間が6時間を超える場合は少なくても45分
労働時間が8時間を超える場合は少なくても1時間
と規定されています。
さらに休憩時間に何か作業をしてもらうことはできず、自由にその時間を過ごしてもらうことが必要です。
介護事業者が介護スタッフに対し、休憩時間の使い方を指示することや休憩をとらせないことは違法となるため、メリハリをつけて長く働いてもらうためにもしっかりと休憩時間を確保してもらうようにしましょう。