訪問介護の現場では、訪問した現場で物損事故などに注意することが必要です。
利用者宅で掃除や洗濯、調理の援助をしているとき、たとえば掃除機のホースが花瓶などにあたってしまったり、手を滑らせて落としてしまったり、といったことも考えられます。
そこで、訪問介護で掃除中にモノを破損するトラブルを防ぐために、どのようなことが必要なのか解説していきます。「訪問介護」とは、日常生活を本人だけで営むことが難しくなった要介護者に対し、介護福祉士やホームヘルパーなどが利用者宅まで出向いて日常生活上のサポートをするサービスです。
利用できるのは居宅で生活を送る要介護認定を受けた方で、「居宅」には自宅だけでなく、軽費老人ホームや有料老人ホームなども含みます。
・訪問介護の対象者
・訪問介護で提供するサービス
それぞれ説明します。
介護保険で訪問介護を利用できるのは、要介護1以上の認定を受けている方です。
要支援1や要支援2の認定を受けていれば、「介護予防訪問介護」を利用できます。
訪問介護で提供するサービスは、主に次の3つです。
・生活援助
・身体介護
・通院時の乗車・降車介助
それぞれ説明します。
本人に代わって身の回りのお世話をするサービスが「生活援助」で、調理・掃除・洗濯・衣類整理・生活必需品の買い物・薬の受け取りなどを行います。
利用者の身体に接触し行うサービスが「身体介護」で、食事・排泄・入浴などの介助、衣服の着替え援助、身体清拭、体位変換などを行います。
通院するときの乗車・降車介助で、「介護タクシー」と呼ばれています。
居宅から通院するとき、訪問介護員が乗車・移送・降車を介助し、乗車前もしくは降車後の移動介助や、通院先での受診手続と移動もサポートします。
なお、移送にかかる運賃は介護保険の対象ではありません。
訪問介護の際、意識を利用者に集中していたため、うっかり足元の物を踏んで破損させてしまうケースがあります。
生活援助の掃除中、棚のものを落として壊してしまうことや、食器を洗っているときに落として割ってしまうといったこともあるでしょう。
破損した物が高価なら、保険で損害賠償できる場合もありますが、その後の利用者との関係に影響を及ぼすことも考えられます。
賠償する金額は安くても、利用者に思い出の品などの場合、やはりその後の関係に影響する可能性があります。
訪問介護でサービスを提供するときには、うっかり利用者の物を壊さないように注意しましょう。
また、掃除については利用者それぞれの生活に合わせることが必要です。
利用者の生活習慣や生活態度を大切にし、必ずやってほしいこととできるだけやってほしいことを見分け、プライバシーを守ることを徹底しましょう。