介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

デイサービスの送迎で必要な資格とお迎え中などに事故が起きたときの対処法

2023.02.11
分類:リスク

デイサービスでは利用者の送迎を行いますが、たとえばお迎え中や送っているときなどに事故が発生したときには、どのように対処すればよいのでしょう。 

送迎中の事故で利用者がケガや死亡した場合、介護事業者は利用者やその家族から損害賠償請求される可能性がありますが、すべての事故で対象となるわけではありません。

そこで、デイサービスの送迎で必要な資格とお迎え中などに事故が起きたときの対処法について、送迎業務中の事故の賠償責任も踏まえて解説していきます。

デイサービスの送迎で必要になる資格とは

デイサービスなどの施設では送迎が必要になりますが、利用者の自宅と施設までの送迎は従業員が行っていることもあります。

送迎するためには特別な資格が必要になるわけではなく、普通自動車第1種運転免許があれば問題ありません。

ただし送迎が有料の場合には、道路運送事業者に該当するため第2種運転免許が必要です。

また、デイサービスの送迎では利用者宅で介助が必要になることもあり、居宅内介助においては一定資格と経験が必要となり、資格がなく勤続年数3年未満の職員は送迎の際の居宅内介助の対象外となります。

居宅内介助で必要になる資格として、以下の資格が挙げられます。

介護福祉士

介護職員実務者研修修了者

介護職員初任者研修修了者

旧介護職員基礎研修課程修了者

旧ホームヘルパー1級研修課程修了者

旧ホームヘルパー 2級研修課程修了者

看護職員

機能訓練指導員

居宅内介助を資格のない従業員が担当し、万一事故などで利用者がケガを負った場合には、デイサービス事業者が事故責任を負うことになります。

デイサービスの送迎で事故が起きたときの対処法

デイサービスの送迎で事故が起きてしまったときには、事故そのものは軽微だとしても利用者がケガを負うこともあります。

送迎中の交通事故では、適切にシートベルトを締めていたか、車椅子利用の場合には車両に適切に固定されていたか確認してください。

身体がシートベルトでしっかりと固定されていなければ、事故でより大きな衝撃を受けることになってしまいます。

車椅子のまま車内に乗り込むときは特に不安定になりやすく、仮に車椅子が車両に固定されていないときや緩んでいたときには転倒リスクも高くなると考えられます。

そのためシートベルト着用や車椅子の固定などが事故による負傷の責任に対する争点の1つになると考えられ、実際に送迎中の事故で損害賠償請求が争われた判例もあるため十分に注意しましょう。