「介護等体験」とは、小学校および中学校の教員免許状を取得する上で必要となる特殊教育諸学校および社会福祉施設などによる体験活動です。
高校の教員免許状を取得する際には必要ない体験活動ですが、主に特別支援学校や社会福祉施設、その他の施設で7日間の障害者・高齢者などに対する介護・介助・交流・その他の体験を行います。
そこで、介護等体験について、教職で必要とされる理由や対象施設などを簡単に解説していきます。
小学校や中学校の教員免除状を取得する上で、介護等体験が必要であるのは、教員が個人の尊厳および社会連帯の理念に関しての認識を深めることが重要だからです。
教員の資質向上や学校教育の充実を図るために、小学校と中学校の教諭の普通免許状取得希望者には、介護等体験が義務付けられています。
幼稚園や高等学校、特別支援学校の教諭の免許状の取得においては、介護等体験を行う必要はありません。
介護等体験の対象となる施設は、特別支援学校や社会福祉施設、その他文部科学省令で定められた施設です。
保育所を除く、法令に根拠を有するほぼすべての福祉施設や老人保健施設などが対象となります。
介護・介助などのように、障害者や高齢者などと直接接する仕事はなく、掃除や洗濯の他業務の補助といったことで、7日観の体験活動を行います。
教員免許状以外の資格を取得したとき、介護等体験の対象施設で体験を行ったため、再度行う必要があるのかと疑問を感じるケースもあるでしょう。
18歳に達した後の体験活動においては、体験を行った施設から7日間の介護等体験を行った旨の証明書が発行されることで、他の資格取得の体験も介護等体験として含めることができます。
なお、令和2年度から令和5年度までの間に介護等体験を予定していたのにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の影響で行うことが困難になった方は、一定要件を満たす代替措置を受けていれば介護等体験が免除されます。
介護等体験を行った後に、証明書を発行してもらうためにどのような手続が必要なのでしょう。
証明書は、介護等体験を実施した学校または施設の長が発行します。
免許状授与の申請について、証明書を提出するのは、都道府県の教育委員会です。
教員免許状の授与は、都道府県の教育委員会が行います。
そのため都道府県の教育委員会に問い合わせ、介護等体験に関する証明書だけでなく、その他必要書類の提出先窓口を確認しておきましょう。