交通事故によりケガを負った被害者が、介護や介助を必要とする場合に支払われるのが「付添看護費」です。
職業付添人や近親者の付添いなどにおいて、必要で相当な限度で認められますが、近親者が付添ったときには対価を支払うことは付添看護費請求の前提にはなっていません。
ただ、現実に付添看護料の支払いをしていないときや、支払うように請求されていなくても、被害者は近親者の付添看護料相当額を加害者に賠償請求することができます。
そこで、付添看護費に含まれる費用の種類や、その内容について解説していきます。
付添看護費は,大きく分けると以下のように分類できます。
・入院付添費
・通院付添費
・自宅付添費
・将来介護費(将来付添費)
それぞれの付添費について説明していきます。
「入院付添費」とは、交通事故で入院した被害者の職業付添人や付き添った近親者に対する付添看護費です。
入院中に付添いすることが必要である場合において、相当な限度で認められます。
医師の指示があるときには必要性が認められ、他にも受傷の程度や被害者の年齢などでて認められる場合があります。
ただし医療機関で完全看護体制が取られているときには、近親者の付添を求められることはないため、添看護の必要性について医師の指示は得ることができないケースも少なくありません。
ただ、医療機関が完全看護体制かについては患者数に対する看護師数で決まるため、実際には仮に完全看護体制としていても看護師が24時間付き添って看護することを保障しているわけではないといえます。
そのため医師の指示がなくても、症状が重篤なときや年齢的な問題(年少者または高齢者など)のケースにおいては、近親者による付添看護の必要性が認められることもあります。
「通院付添費」とは、近親者が通院に付き添ったときの付添看護費です。
被害者の症状や年齢などによって、通院するときに近親者が付き添う必要があるときに、日額3,000円から4,000円程度が通院付添費として認められます。
下肢骨折による歩行困難状態であるときや、高次脳機能障害で単独通院は難しいとき、一人で通院が難しい幼児や児童などの場合には認められやすいといえるでしょう。
自宅療養する上で、介護が必要であるときの付添看護費であり、退院後に症状が固定されるまでの自宅療養中の身の回りの世話・介助・看視・声掛けなどの生活上介護が「自宅付添費」として認められます。
重度後遺障害などで症状固定後も介護を必要とする場合の付添看護費が「将来介護費(将来付添費)」です。
後遺障害の程度や内容、介護負担などによって認められることとなります。