特別養護老人ホームなど公共型施設では、都心部など地域によって定員割れという状況が懸念されています。
これは、補助金頼みで開設する施設が増加傾向にあり、開設ラッシュにより利用者の奪い合いが起きることが予想されるからです。
23区内の保育園なども定員割れが続出していますが、このままではその二の舞いになりかねません。
介護業界の状況は時の流れで変化が大きいといえますが、特に介護施設の一定割合を占める特別養護老人ホームは変化が大きい施設です。
待機者数百人とまで言われていた施設であるものの、本当に定員割れ状態になった場合、考えられる対策について簡単に解説していきます。
介護施設には、公共型と民間型があり、民間企業や民間団体が運営している介護施設は民間型、自治体や社会福祉法人などが運営している施設は公共型に分けられます。
公共型は要介護度など条件が明確にされており、条件を満たさなければ利用できないことといえますが、民間型は自立や要支援の方なども利用できる施設があり、ニーズに対応したいろいろな運営がされています。
公共型は人員や設備、入所要件など明確な法的基準が設けられているものの、利用料など費用負担を抑えることができるため、入居希望者が多めです。
たとえば特別養護老人ホームなどは入居を希望する待機者が100名を超える施設も多かったといえます。
しかし人口自体が減少し、様々なニーズに対応できる民間型の介護施設が増えたことで、定員割れとなる公共型の施設も見られるようになりました。
公共型の施設の定員割れを防ぐため、たとえば特別養護老人ホームなどでは、一部をサービス付き高齢者向け住宅へ転換するといったことも検討されているようです。
転換することで、受入れ層を広げることができ、健康状態の安定した方の受け入れが増えることで入院などによる収入変動リスクも抑えることが可能になります。
必要な部分は保持したまま、効率的な運営ができるようになれば、今後の高齢化社会における介護ニーズにも対応できるようになるでしょう。
高齢者数は2045年にピークとなり、その後は人口とともに減少傾向になるとされていますが、介護のニーズは高まることが予想されるため、公共型の施設でもいろいろな対応が求められているといえます。