「看取りケア」とは、医師から余命の診断を受けた本人やその家族の希望によって行われるケアであり、苦痛を和らげながら穏やかに最期を迎えるためのケアともいえます。
そこで、余命を診断された方の身体的・精神的苦痛を緩和・軽減する看取りケアについて解説していきます。
「看取りケア」とは、医師の指示に基づき苦痛を緩和させつつ、自分らしい穏やかな最期を迎えてもらうためのケアです。
日常生活におけるケアが中心で、在宅や介護施設で行われることが多く、「看取り介護」と呼ばれることもあります。
「ターミナルケア」とは「終末期医療」とも呼ばれ、看取りケアと同様に余命わずかな方に対し、穏やかな最期を迎えてもらうためのケアです。
看取りケアと異なるのは、点滴や酸素吸入など終末期医療や看護も含まれ、中心となるのが医療的なケアであることといえます。
治療は延命優先ではなく苦痛を緩和・軽減させることを目的としており、医療機関で行なわれることがほとんどです。
「緩和ケア」とは、がんなど患っている方の苦痛を緩和させ、生活の質を改善することを目的としたケアです。
看取りケアやターミナルケアと異なる点として、治療も並行して実施されることが挙げられます。
他にもホスピス病棟のある医療機関で行われる「ホスピスケア」では、緩和ケアと同じく苦痛緩和・軽減を目的としたケアが行われるなどいろいろな種類があります。
介護施設で看取ることが増えつつあるのは、余命わずかという診断を受けたものの延命は望んでいないものの、在宅による介護は厳しい方が多いからといえます。
他にもいろいろな事情があり、在宅ではなく介護施設で最期の時間を過ごす方が増えているといえるでしょう。
2040年あたりから団塊の世代が平均寿命を迎えれば、療養病床は不足することも予想されます。
そのため介護施設で看取りケアを行うケースが増えるとも考えられているため、介護現場の人材不足解消が急務といえます。
病院でターミナルケアを受けるべきか、それとも自宅や介護施設での看取りケアがよいのかなど、本人がどのような最期を迎えたいかによって異なります。
身体的な状況以外にも、家族や取り巻く環境などで選ぶ最期は異なってくるため、納得のできる後悔しない選択が必要です。