介護施設を開業する際には、従業員教育が重要になります。
介護職は「きつい・きたない・きけん」の「3K」といわれる職種であり、雇用しても早期退職してしまうケースが相次いでいます。
ただ、介護現場の人手不足を防ぐためにも、人員の定着率を高めることは今後重要となるでしょう。
そのために徹底した従業員教育が必要といえますが、施設開業の際に雇用する新人介護職員にも、介護現場で働く上の心得など伝えておくべきことはたくさんあります。
そこで、介護施設開業に向けた従業員教育の内容について、新人介護職員に伝えておくべきことなどを紹介していきます。
介護施設の新人教育・研修(OJT)に、特に決まったルールなどはありません。
専属の教育担当者がいる施設もあれば、現場で先輩職員が直接教育するといったケースもあります。
また、都度職員を募集している施設などは、施設独自のマニュアルや研修教材など準備していることが多いようです。
新人教育・研修は、主に次をそれぞれの能力や適性を見つつ、伝えていきます。
・介護技術
・介護記録の記載方法
・介護保険制度や介護業界の知識
・介護施設の理念・方針など
介護施設開業に向けて採用した新人介護職員には、介護技術や日常業務を指導することだけでなく、次の2つを心構えとしておくことを伝えましょう。
・利用者の尊厳を守る
・利用者と向き合う
その上で、次の2つを伝えておくことが必要です。
・接遇マナー
・事故防止
それぞれ説明します。
介護施設における接遇マナーは、以下の5つが基本です。
・挨拶
・身だしなみ
・言葉遣い
・表情
・態度
利用者との対話において、傾聴や気遣い重要です。
介護現場は転倒・誤嚥などの事故を起こしてしまうと、利用者にケガを負わせるにとどまらず、生命の危機にさらす可能性もあります。
そのため介護事故を起こさない対策が必要といえますが、100%防ぐことは難しくても、最小限に抑えることはできます。
介護事故を防止するリスクマネジメントの重要性を説き、どのような取り組みが必要なのか伝えていきましょう。
実際に施設で起こった事故の事例や、必要とされる対応方法などは共有しておくべきです。
新人職員が現場の業務に慣れるまで、不安な状態で業務を任せずに、教育係が付き添い確認しながら行うことも大切といえます。