介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設でしておくべきリスクマネジメント|利用者の家族の要望への対応は?

2020.05.23
分類:リスク

介護施設を運営している方や責任者の方にとって、施設でのリスクマネジメントはとても気になる部分でしょう。

たとえば家族が利用者に口から食事を取らせることを希望していても、利用者の方にとっては無理な経口摂取は危険なこともあります。

しかし家族の求める介助方法で事故が起きた場合でも、施設は責任を問われるのでしょうか。

家族の要望だったとしても施設が責任を問われることに

経口摂取でなければ食事を取った気がしないだろうと、利用者の家族が口から食事を取らせたいと希望することも中にはあるかもしれません。

しかし家族が希望したとおりに介護を行ったとしても、事故が起きれば施設の過失となり賠償責任が発生すると考えられるでしょう。

たとえ家族の要求する介助方法が適切でないことを施設側が指摘していたとしても、求められた介助方法を受け入れ実行すれば安全配慮義務違反となり過失責任を問われるからです。

利用者の家族は正しい介助方法の知識がないことも多いですが、介護施設側は介護のプロとして事業を営む立場です。そのため家族から適切でない介助方法を求められたのなら、その介助方法がなぜ不適切なのか理由を説明した上で、適切なサービスを提供できる状況にするべきといえるでしょう。

 

いくら家族の要望だとしても

介護保険法にも、要介護者の心身状況などに応じて適切なサービスを提供するように努めなければならないとされています。

最初から適切でない方法と分かっていながら不適切な介護サービスの提供方法を実行すると、介護保険法に違反することにもなるのです。

ただ、家族の要求のうち、どこまでなら受け入れても良いのかなど基準は明確にされていません。

その中で家族が要求する介助方法を断る場合には、根拠を明確に説明しなければなりませんので、介護計画書を作成するときには利用者の身体機能のアセスメントに基づいて介護サービスを提供することや、家族の要望でも危険な介助方法の要望には応えられないことを伝えておくべきです。

 

どのような要望の場合に拒否するべき?

介護施設では、利用者の介助方法は家族の要望にできる限りこたえたいと考えるものです。

ただし、

・利用者に不適切と考えられる介助方法(本人に苦痛が生じるなど)

・施設業務上対応ができない介助方法(24時間常に付き添い見守りを行うなど)

・利用者本人の生命の危機に及ぶ介助方法(経口摂取は危険なのに無理に口から食べさせるなど)

などの介助方法は断るべきです。