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介護施設で高齢の方がなると怖い病気の種類とは?

2019.09.15
分類:リスク

介護現場で働いていると、高齢の方がかかりやすい病気に注意しなければならないことに気がつきます。

その中でも生命にかかわる疾患となるのが「肺炎」で、呼吸によって体内へと送りこまれた酸素と二酸化炭素を交換する働きを担う肺組織が、細菌やウイルスなどに感染してしまい、炎症を起こした状態を指しています。

そこで、高齢の方が肺炎になってしまうことを防ぐにはどうすればよいか、その方法などをご説明します。

肺炎になったときにはどのような症状があらわれる?

呼吸器である肺は呼吸する上で大切な機能を果たしています。しかし、呼吸により細菌やウイルスなどの病原体も取り込んでしまうことで、免疫力の低下している高齢の方などは肺を感染させてしまう可能性があるのです。

もし肺炎にかかった場合、咳や痰、発熱といった風邪と似た症状があらわれます。息切れや胸部の痛み、倦怠感や悪寒などの症状があらわれることも多いようです。

 

肺炎による合併症はかなり危険!

肺炎になってしまうことで、最も注意したいのは合併症です。

血液の酸素濃度が低下し、呼吸困難に陥ってしまうこともあれば、肺組織に空洞ができて膿が溜まるといった肺膿瘍を起こすこともあります。

また、細菌によって色々な臓器にも影響を及ぼし敗血症なども考えられますが、いずれも生命に危険が及ぶ可能性があるため十分に注意が必要です。

肺炎にかかると、もともと体力低下していることでさらに体力や抵抗力が低くなり、一旦は治ったとしてもまたすぐ再発することもあります。繰り返し肺炎になってしまうことで、だんだんと衰弱してしまうことになるのです。

 

肺炎?という疑いが見られたら

肺炎は風邪の症状によく似ていますが、同じ症状が数日続いた場合にはすぐ医療機関を受診することが必要です。

高齢者が肺炎にかかる多くの原因は誤嚥であるとも考えられているので、食事中にむせたり口の中に食べ物が残ったりする場合や、食事の最中や食後に呼吸が急に苦しくなるといった場合、誤嚥性肺炎になってしまう可能性があるのでこちらも注意するようにしてください。

風邪の症状が出ているのと同時に、いつもより元気がないなど体調の変化を感じ取ったら、すぐに医師の診察を受けてもらうこと、さらにインフルエンザの流行の時期には必ず予防接種を受けもらうことが必要です。

細菌やウイルスが体内に入り込まないように、うがいや手洗いはこまめに行うことも大切ですし、外出するときにはマスク着用を必須としましょう。

そして適度な運動の習慣を身につけること、腸内環境を整えて免疫機能を向上させることも身体の抵抗力を高め、肺炎になることを防ぐ一歩です。

 

施設全体で衛生管理を徹底することが重要

さらに注意したいのが、介護を行うスタッフが感染症にかかってしまい、介護を受ける高齢の方に移してしまうことです。

いくら施設を利用している高齢の方にうがいや手洗いをまめに行ってもらうようにしても、肝心のスタッフがインフルエンザや感染症などになれば、そこから直接触れ合うこととなる高齢の方に移してしまう可能性もあります。

施設全体で感染症を防ぐように、徹底した衛生管理を行うことが必要となるでしょう。