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介護施設が冬場に実践しておきたい様々な寒さ対策とは?

2021.02.09
分類:リスク

冬場は介護施設などでも寒さ対策などに注意が必要ですが、冬の寒さや乾燥が高齢者の身体にどのような影響を与えるのか知っておきましょう。

冬場は寒さが増し乾燥しがちなので、高齢者の身体にはいろいろな影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルスをはじめインフルエンザやノロウイルスなど、感染症にも気を付けなければなりませんし、入浴中の事故などのリスクも高まるため十分注意が必要です。

冬場の寒さが高齢者の身体にどのような影響を及ぼす?

12月から翌年2 月にかけて、冬場は寒さが増し身体が冷えやすくなります。

厳しい寒さはめ、体温を下げることとなり免疫力を低下させてしまうため、もともと免疫機能が衰えている高齢者の場合は特に感染症リスクに注意が必要です。

さらに身体が冷えてしまうと血行不良となり、肩こりや膝の痛みなどが悪化するだけでなく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高めると留意しておくべきでしょう。

冬場に心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなる理由として、温度が急変することで身体にストレスがかかるヒートショックが挙げられます。

気温が下がれば血管は収縮し血圧は上昇しますが、気温が上がれば血管は拡張し血圧が低下します。

暖房が十分に効いた暖かい部屋から、気温の低いトイレや浴室などに移動すると、血圧が急激に変動するため注意しておかなければなりません。

 

感染症予防のためにできることは?

感染症で注意しておきたいのは、現在であれば新型コロナウイルスはもちろん、毎年のように流行するインフルエンザやノロウイルスなどです。

季節性インフルエンザは11月下旬から翌年3月頃までに流行することが多く、ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎は11月から翌2月頃に多くみられます。

高齢者はいずれの感染症でも重篤化しやすいため、石けんを使った手洗いやうがい、消毒など十分に行うことが必要です。

また、感染症予防だけでなく口腔内の乾燥を防ぐ上でもマスクを着用するようにしましょう。

 

水分はこまめにとることが必要に

高齢者は冬場も夏場同様に脱水に注意してください。汗をかかなくても体内の水分は失われていきますし、エアコンやこたつを使用することで湿度は低下し、脱水症状を起こしやすくなります。

水分補給の回数が少なくなりがちな時期ですが、のどが乾いていなくて水分はこまめにとってもらいましょう。部屋の湿度は5060%に設定し、加湿器なども使用するようにします。

 

入浴中などの事故を防ぐために

温度差によって血圧が急激に変化してしまわないよう、冬場は洗面所・トイレ・脱衣室・浴室などは暖かくしておきます。廊下なども暖かくしておきましょう。そして入浴前後にはコップ一杯程度の水分を補給できるように準備しておいてください。

さらにお風呂の湯温が熱すぎれば血圧が上昇してしまうため、3840度に設定しておき10分までを目安につかるようにしましょう。