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介護施設の敷地内では喫煙に一部制限がかかっている?

2021.02.11
分類:リスク

20197月、改正健康増進法が施行されたことで介護施設の敷地内では、喫煙に一部制限がかかることとなりました。

これは受動喫煙対策の一環として行われていますが、具体的にどのような内容か把握しておきましょう。

介護施設も改正法の対象

改正健康増進法では、老人ホーム・グループホーム・デイサービスなどの介護事業所屋内は禁煙としています。

特別養護老人ホームの個室など、利用者のプライベートな住まいとなる場所以外は、建物内での喫煙も禁じられることとなりました。ただし、煙が外に漏れることのない専用の喫煙ルームなどを設置することは可能なようです。

もし違反すると50万円以下の罰金も発生しますので、必ず守るようにしてください。

そもそも改正健康増進法は、東京オリンピック・パラリンピックでの受動喫煙をなくすことを目標として始まりました。

子どもや疾患を抱える方などを守ることを重視しているため、学校や医療機関、行政機関などは敷地内禁煙となっています。

 

禁煙することのメリット

禁煙により発症リスクを低下させることができる疾病として挙げられるのは、

・心筋梗塞

・間欠性肢行

・慢性気管支炎

・突然の心臓疾患

・骨粗鬆症

・呼吸機能におよぼす影響

などです。

高齢者に関係する疾患が多いため、改正法による禁煙対策は介護施設で生活する利用者にとってもメリットがあると考えられます。

 

喫煙専用ルームを設ける場合は

タバコを吸うことを楽しみにしている高齢者にとっては、これまでの生き方や嗜好が尊重されないと感じることもあるようです。

しかし集団生活の中で喫煙すると、受動喫煙で関係のない方に健康被害を及ぼす可能性もあるため、介護施設を禁煙化させることは望ましいことといえます。

喫煙を可能とする場合でも、玄関先や駐車場など利用者が普段足を運ばない場所に喫煙専用のスペースを設け、分煙化させることが必要です。

なお、喫煙室を設置することで壁などに囲まれた空間を設けることになります。そのため排煙設備やスプリンクラー消火設備、自動火災報知設備など防災設備を増設したほうがよいと考えられます。

特に現在は新型コロナウイルス感染症の影響などで、密室に複数人がこもることは避けるべきです。喫煙専用スペースで喫煙を可能とする場合にも、一度に利用できる人数に制限を設けるといったことも必要となるでしょう。

今後も禁煙化や分煙化の動きは拡大されると考えられますので、介護施設でも適切に対処していくようにしてください。