介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設で車いすを利用する方の移動介助はブレーキのかけ忘れに注意!

2021.02.12
分類:リスク

介護施設で生活する利用者の中には、歩行や姿勢保持を困難とする方もいます。そのような方たちは、日々車いすを使うことになりますが、使用の際には十分安全に配慮しなければならず、ブレーキのかけ忘れなどに注意が必要となります。

介護現場では様々な場面で、一歩間違えば事故につながった可能性のあるヒヤリ・ハットを経験することもあるでしょう。

たとえば利用者の移動介助の際、車いすのブレーキがかかっておらず、利用者が転倒しそうになったという事例などもヒヤリ・ハットとして挙げられます。

介護現場で多くみられる事例であり、トラブルを防ぐためにも移動介助を行うスタッフは、車いすを停止させる位置でブレーキを確認しておくことが必要です。

車いすを利用する前に必要となる準備

車いすを利用するときには安全確認が必要となりますし、定期的なメンテナンスも重要です。

車いすを点検するときには、主に次の項目を確認するようにしましょう。

・ブレーキやストッパーなど正常に作動しているか

・タイヤには空気が十分に入っているか

・スムーズに車輪が動いており、まっすぐ進むか

・足を乗せるフットサポートの上げ下げが可能か

・シートにたわみはないか

・ネジがゆるんでいないか

・全体的にがたついていたり異音がしたりしていないか

・破損している部分はないか

 

車いすの移動介助で基本となること

車いすの移動介助の方法をまず確認しておきましょう。

移動介助で車いすを押すときには、車いすの真後ろに介助者が立ち、両手でしかりとグリップを握ります。車いすに乗っている利用者には肘掛け(アームサポート)を握ってもらい、ふっとサポートに足を乗せてもらいましょう。

車いすを動かすときには必ず声をかけるようにし、ゆっくり押して移動します。

ブレーキをかけるときには、車いすの側面もしくは後方に介助者が立つようにし、片方の手はグリップ、もう片方はブレーキをしっかりかけるようにしてください。反対側のブレーキもかけます。

 

車いすの移動介助で注意しておきたいこと

車いすでの急発進・急停止・急カーブは絶対にやめましょう。

停止させるときや車いすから離れる場合には、少しの間だとしてもブレーキは必ずかけておくようにします。

車いすによる移動は、利用者にとっても不安を感じる部分でもあります。介助者には平らでそれほど凹凸がないと感じる道でも、車いすに乗っている利用者は振動やスピードなどを感じやすくなるといえるでしょう。

介助されている方の立場になって、声かけをしながらゆっくりと移動することが大切です。