介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護を必要とする家族にもケアが必要とされる理由

2019.11.04
分類:リスク

年をとっていけば人の身体的な状況はだんだんと変化していくので、いつかは家族の介護が必要になる日が訪れるかもしれないと予想していたとしても、大切な家族が認知症などで介護を必要と姿になることは精神的部分でのダメージは少なくありません。

介護事業所で介護を必要とする家族を支えるには、そのような家族のメンタル的な負担や変化にも対応していくことが求められます。

家族が認知症だと判断された家族の心境とは

専門医療機関などを受診し、家族が認知症であることの診断をされることで、不安が確実なものへと変わってしまいます。

愕然とする中、どこかで違うのではないか…と、家族が認知症になったことを否定する気持ちも芽生えてしまうかもしれません。

しかし、だんだんと認知症の症状があらわれてくれば、いずれ家族の現状を受け入れることが必要となってきます。

最近の出来事を記憶できていなかったり、何度も同じことを聞いてきたり、そのような症状が出てくることでようやく家族の認知症を受け入れ、あたたかく見守っていこうと決意したとします。

最初は合わせて受け答えをしていても、繰り返される言動に我慢の限界を迎えてしまうこともあるかもしれません。溜まったストレスが怒りに変わり、たとえ家族でも不適切な行為に及ばないとも限らないのです。

 

小さなストレスがやがて大きな怒りになることも

家族だからと認知症の方の言動にずっと耐え続けていれば、小さなストレスが溜まり大きなものとなって怒りとして爆発してしまいます。

怒りを抱えても誰かに相談や、役割分担などで分け取りしてもらうことができれば、怒りを抑えることもできるでしょう。

介護事業所が考えなければならないのは、このような家族の抱える不安定な心のケアともいえます。

認知症を抱える利用者のケアはもちろんですが、想像しているよりも家族が大きな爆弾を抱えている場合もあるので、介護が安定していくまで話しや悩みを聞いてあげることも大切です。

実際に現場で介護に携わっている事業所だからこそ、利用者の家族のつらさを理解できることでしょう。

 

家族が介護により「うつ」になってしまわないためにも

抑圧された怒りがきっかけでどうすることもできず、「うつ」などを引き起こしてしまうこともあります。

誰にも不満や悩み、愚痴などもらさず、必死で家族の世話をしなければと介護を行っている方のほうが、追い詰められてしまうこともあるようです。

誰かが介護を必要とする家族の気持ちを受け止め、溜めてしまった怒りが爆発してしまわないようにするために、介護サービスを有効に利用してもらえるようにしていきましょう。

それによりだんだんと悩みや不満、怒りが解消されていったとしても、また新しい困難にぶつかった時には同じように怒りが芽生えることもあるかもしれません。

そのため、利用者だけでなくその家族とのコミュニケーションも必要になるということです。