介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護の問題として取り上げられることが多い老老介護や認認介護とは?

2019.11.07
分類:リスク

日本はすでに核家族化している中で、少子高齢化という大きな問題を抱えています。この高齢化や平均寿命が延びることにより、老老介護や認認介護という介護の問題が大きく取り上げられるようになりました。

医学の進歩によって平均寿命が延び、長生きできるようになったのは喜ばしいことではありますが、それに伴い高齢者同士が介護を行う老老介護や認認介護の問題を抱える世帯が増えてしまっています。

老老介護とは?

65歳以上の高齢者に対し、65歳以上の高齢者が介護を行っている状態のことを指しています。

たとえば高齢の妻が同じく高齢の夫を介護していたり、高齢の親に対して既に65歳以上となっている子が介護していたりといったケースが該当します。

認認介護は老老介護よりさらに危険

老老介護のうち、認知症の要介護者に対して、同じく認知症を患っている方が介護する状態を指していますので、判断能力が低下している状態での介護であることから事故を招きやすく危険な介護といえます。

今は老老介護でも、いずれ認認介護という状態になってしまう可能性を秘めている世帯も少なくありません。

 

老老介護で問題となる部分とは

高齢になればだんだんと体の自由がきかなくなり、身体的な負担が重く感じてしまうものです。

身体的負担だけならまだしも、精神的な部分でも疲れてしまうので、ときには溜まったストレスが要介護者に虐待という形でぶつけられてしまうこともあるようです。

要介護者だけでなく、介護者自身も本来はサポートしてもらいたい立場なのに、要介護者よりは動けるからと介護を続けていては、共倒れ状態になってしまう可能性もでてくるでしょう。

周囲から孤立した状態で続ける老老介護ではストレスも溜まりやすく、そのストレスが認知症を発症するきっかけとなって認認介護に陥りやすくなるともいわれています。

 

健康寿命が延びなければ介護期間が長くなるだけ?

医療の進歩で平均寿命は年々延びても、介護なしで日常生活を送ることができる健康寿命との差は縮まりません。

変わらない健康寿命から、延びていく平均寿命までの期間は介護が必要とされる期間となってしまいます。

50代から親の介護を始めた子が65歳になると老老介護が始まります。その前に介護施設を利用しようと入所待ちしていても、待っている間に老老介護に突入してしまうことも考えられるでしょう。

介護は一人で抱え込むのではなく、もし親の介護に対して兄弟姉妹で相談し合えるのなら、役割を分担することも必要です。

 

介護は一人に任せるのではなく周囲のサポートが重要

介護を行う時間や体力的な部分だけでなく、金銭的な部分でも兄弟姉妹などそれぞれが支援し合えることが理想といえます。

その上で介護生活のサポートが可能となる介護保険制度や介護サービスなど、利用できるサービスを利用してもらえるように働きかけていくことも必要となります。

身体や精神面、さらに金銭部分で限界を迎えてしまう前に、できる支援を周囲が行っていけるようにするべきといえるでしょう。