介護事業者の中には、新型コロナウイルス感染拡大による見舞金を従業員に支給しているところもあります。
たとえば介護会社であるセントケア・ホールディングは2020年10月、従業員9,300名に対して「新型コロナウイルス感染症に関するお見舞金」を最大2万円支給するとしました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大は現在も続いており、予防対応などによって従業員の負担は重くなっている状況です。
セントケアで見舞金の支給対象となったのは、勤務形態や職種を問わず、正社員・非常勤社員の約9,300名です。最大2万円を支給額とし、総額の概算は1億3千万円とされています。
セントケアでは早期の段階から全社を挙げ、感染予防と拡大防止策を徹底して行っていました。
それまでも、感染者が発生した施設では拠点ごとに特別手当を支給するといった対応を行っていたのが特徴です。
介護現場で働くスタッフにとって、慰労金などを支給してほしいと思うのは当然のことであり、医療・介護の現場では長期化する予防対応など負担増へのケアが必要と考えられます。
ワクチン接種も開始されたものの、まだ十分に対応できているといえず、医療や介護現場では不安がつのる一方といえるでしょう。
利用者に新型コロナウイルス感染症が発生、または濃厚接触者となった利用者に対応した介護サービス事業所・施設などで働いているスタッフを対象とした国からの慰労金なども支給されましたが、コロナ禍が続く今さらなる支給が求められるといえます。
介護施設で働くスタッフの心身や金銭の負担も厳しい状態ですが、自宅で家族を支える家族にとってもコロナ禍の今、収入減少や在宅の時間が増えたことで金銭的な負担は増えているといえます。
自治体ごとに家で家族の介護を行っている方を対象とした慰労金などを支給していますので、事前に確認し該当する場合には申請するとよいでしょう。
たとえば東京都世田谷区では「家族介護慰労金」を支給していますが、1年間介護保険サービスを利用せず、要介護認定で要介護2または要介護3以上の認定を受けた方を介護している同居家族を対象とし年額10万円を支給しています。
東京都府中市でも「ねたきり高齢者介護者慰労金」として、要介護3以上に認定された方を在宅で常時介護している方を対象に、月額5千円の慰労金を4月・8月・12月に分けて支給しています。