介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護を必要とする高齢者が増えることで今社会的に問題視されていることとは?

2019.11.19
分類:リスク

日本社会が抱える介護という大きな課題。家族に介護が必要になったとき、在宅でケアをするのか、それとも施設への入所を選ぶのか、家庭環境や状況、本人の心身の状態などを踏まえて選ぶことになります。

高齢化が進む日本で、介護という問題に直面することはどの家庭でも起こりうることですが、介護事業を営む上で今、社会的に問題として取り上げられているのか把握しておくようにしましょう。

日本で増えている介護難民の問題

介護を必要とする要介護者として認定を受けているのに、施設への入所ができないだけでなく、家でも適切な介護サービスを受けることができない方を指した言葉が「介護難民」です。

2025年になると、全国では約43万人が介護難民になると予測されるなど、今後、介護サービスを利用したくてもできない高齢者が増えてしまうかもしれません。

日本の人口は減少傾向にあるのに、65歳以上の高齢者は年々増える一方で、2025年には人口の約3割、2060年になると約4割が65歳以上になるとも予測されています。

介護現場で働く人材も不足しているため、介護難民を増やさないための国の施策が必要となりますし、期待されるところです。

 

老老介護・認認介護の問題

65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者に対し介護を行うことを老老介護といい、それぞれが認知症である場合は認認介護となります。

医療の進歩で平均寿命が延びたことは喜ばしいことではありますが、夫婦どちらも高齢、また、親子が高齢といったケースが増えています。

高齢になると身体的機能は衰えてきますので、認知症を発症するリスクも高くなってしまうため、認認介護につながりやすくなるのです。

認知機能や判断能力が低下した認知症の高齢者が、同じ認知症の高齢者を介護することは想像するだけでも極めて危険な状態であると考えられます。

まずは老老介護を防ぐことが、認認介護をなくすことに必要であるといえるでしょう。

 

一人暮らしの高齢者が増えることでの問題

夫婦で生活していたけれど、いずれか一方が亡くなることで残された高齢者が一人暮らしになるケースもあります。

もし一人暮らしの高齢者が認知症になれば、日常生活を営むことはまず難しくなるでしょうし、近隣トラブルや事故などが起きるリスクが高まります。

身体機能なども低下していけば、自由に行動することもできなくなり、孤独死に繋がってしまうかもしれません。

孤独死は人間の尊厳を損なう上に、家族や親族、近隣住民などに対して心理的に衝撃や、経済的な負担も与えてしまいます。

一人暮らしの高齢者に対する見守りやパトロールといった体制も必要になるでしょうし、家族や親族などの協力も必要になるといえるでしょう。