介護を必要とする高齢の方が多く利用する介護施設などでは、危うく事故につながるような「ヒヤリとしたこと」や「ハッ!と気がついたこと」などが起きてしまいがちです。
そのため、介護事業者はこの「ヒヤリとしたこと」や「ハッ!と気がついたこと」をヒヤリハットとして介護職員から報告してもらい、スタッフ同士が情報共有できる世にしておく必要があります。
冷や汗をかくときには「ヒヤリとする」といった表現がされることがあり、声も出ないほど驚いたときには「ハッとする」といった言葉を使いますが、この2つを掛け合わせた造語が「ヒヤリハット」です。
1件の重大な事故は、300件のヒヤリハットの積み重ねによるものといわれています。
そのためヒヤリハットの回数を減らすことができれば、危険な重大事故も減少させることが可能と言い換えることができるでしょう。
ヒヤリハットは油断や慢心により起きやすいため、原因を放置せず改善させていくことでミスや事故を防ぐことが可能です。
介護施設でヒヤリハットが起切る原因として、主に次のようなことが挙げられます。
介護施設を利用する高齢者の中には、認知症や身体が不自由などいろいろな方もいます。
認知症や足が不自由な方の場合、転倒や転落事故が起きやすいため注意しましょう。
介護施設は激務で人手不足のため、中には十分に休みを取れず長時間労働で働いている方もいます。
疲労が溜まれば集中力も低下してしまい、ミスを起こしやすくなるものですが、それが事故につながってしまうことは避けなければなりません。
施設や設備など、物的な要因で事故が起きてしまう場合もあります。
車いすのフットペダルに足が固定されておらず、足が車体に引っかかりケガを負ってしまったというケースもあれば、介護ベッドの高さが合っておらず車椅子へ移乗するとき転落してしまったというケースなどです。
施設や設備などの改善を図ることが必要となるでしょう。
ヒヤリハットによる事故を未然に防ぐためには、
・ヒヤリハット報告書を書く
・ヒヤリハットの事例を検証する
といったことが必要です。
ヒヤリハットの事例を並べ、眺めているだけでは何の改善にもなりません。
実際に経験したスタッフからの情報を共有しながら、検証していくことが必要となります。