介護現場で働く介護職員は、要介護者が移動するときのサポートのため、利用者の体を抱えたり前かがみになったり、中腰の姿勢を保つことが必要になることが多いといえます。
しかしこのような無理な姿勢を続けることで、腰痛になってしまう介護職員も少なくありません。
介護職を含む保健衛生業での腰痛発生率は年々増加傾向にあるといわれていますが、業務を行うときに腰に負担をかけすぎない注意が必要です。
そこで、介護職員が腰痛になりやすい姿勢や業務について説明していきます。
介護現場で働く介護職は、腰痛を引き起しやすい動作的要因の生じやすい職種です。
介護職に腰痛の悩みを抱える方が多い理由は、たとえば利用者を抱きかかえることや、無理な姿勢での作業などが多く、腰に負担がかかりやすいからといえます。
腰の筋肉疲労がたまりやすく、結果として腰痛を引き起こすことになってしまいます。
腰痛を起こしやすい姿勢には注意が必要ですが、特に次の姿勢を取るときには腰を傷めないように意識しましょう。
・前かがみ・中腰…おむつ交換・体位交換・シーツ交換などで多くなりやすい
・腰の捻りや無理な姿勢…食事介助・入浴介助などのとき多くなりやすい
・長時間にわたる同じ体勢…入浴介助などで多くなりやすい
・持ち上げる動作…起き上がりや移乗介助などで多くなりやすい
・長時間の立ったままの状態…休憩時間が少ないことが要因
これらのことから、特に腰痛を起こしやすい作業として次の5つが挙げられます。
・入浴介助
・移乗介助
・排泄介助(おむつ交換含む)
・体位交換
どの作業も腰に負担がかかる姿勢が含まれていますが、一度腰痛になるとなかなか治らないため、予防することもとても大切です。
仕事が原因で腰痛を発生させたことが証明されれば労災認定されます。
労災認定されれば、休業4日以上で労災保険の休業補償や治療費の支給を受けることが可能となります。
休業4日未満であれば、介護事業者が従業員に休業補償をすることが必要です。
申請は請求書に必要事項を記入し、労働基準監督署に提出することとなりますが、補償の種類によって受診した医療機関の医師の証明も必要となります。
介護事業者が本人に代わって請求書の記入・提出をするケースもありますが、可能な限り対応してあげるとよいでしょう。