介護現場で最も起きやすい事故として挙げられるのが、高齢者の「転倒」です。
しかし高齢者が転倒してしまうことは大きなリスクにつながることとなるため、どのようなときに転倒してしまいやすいのか事前に把握しておくべきといえます。
そこで、高齢者の転倒により発生するリスクと、転倒事故を予防するためにどうすればよいかについて説明していきます。
高齢者の転倒がなぜ危険なのかというと、軽いケガで済む場合もあれば、骨折や頭部外傷などの大きな事故につながることもあるからです。
ケガの程度によっては治りが遅く、ときには寝たきり状態となったり最悪の場合は死に至ったりというケースもあります。
高齢者が転倒と同時に骨折した場合など、治るまで時間がかかり、その期間中は体を動かす機会が減ってしまいます。
体を動かさない状態が続けば、筋力や体力は低下していくこととなるため、寝たきり状態が続くことや他の病気を併発させることなどにつながってしまいます。
さらに転んだことによる精神的なショックで、また転倒したら…といった恐怖心から、活動量を減少させ身体機能を低下させます。
一度衰えた筋力や体力を取り戻すことは簡単なことではないため、体を動かさない時間が長くなれば寝たきりになる可能性が高くなることを留意しておくべきでしょう。
介護現場で高齢者の転倒事故が起きてしまう原因には、外的要因と内的要因の2つがありますので、それぞれ説明していきます。
外的要因とは、転倒の原因が生活環境などにあった場合です。
段差があったことで躓き転ぶといったケースや、浴室が濡れていたため滑って転倒したというケースなどが該当します。
外的要因は環境や空間に工夫するなど要因を取り除き、注意をすることで改善することができます。
内的要因はとは、高齢者自身に何らかの転倒要因があった場合です。
例として挙げられるのは、
・筋力低下
・心肺機能低下
・視力・聴力の低下
・歩行障害
などでしょう。
他にも、抱える疾患や薬の副作用などが影響し、転倒することもあります。
抱える持病で体調不良だったときや、薬の副作用で眠気やふらつきなどが発生し、転倒してしまうといったケースなどです。
高齢者が転倒しやすい場所は、
・段差がある場所
・散らかった場所
・暗くて見えにくい場所
・濡れて滑りやすい場所
の4つです。
これらの場所では高齢者が転倒しないように注意し、見守る体制が必要といえるでしょう。