介護事故とは、介護サービスを提供している介護現場で起きてしまう事故のことであり、サービス利用者のケガの大小や治療の有無に関係なく実害があったときです。
転倒・転落・誤嚥・誤薬などを原因とした介護事故だけでなく、利用者の所有物を紛失・破損させてしまうことも含まれます。
実際に介護事故が発生してしまったとき、その責任がすべて介護事業者にあるとはいえない場合でも、やはり問題を追及される可能性はあります。
そこで、介護事故を防ぐために事前にやっておきたいリスクマネジメントとは何か、その方法について解説していきます。
介護現場では事故が発生しやすいため、事故原因によっては未然に防ぐことは難しいとも考えられます。
ただ、ルールや仕組みを変えれば防ぐことができる事故もあるため、事故を未然に防ぐための「リスクマネジメント」が需要です。
「リスクマネジメント」とは、介護現場で起きる可能性のある事故を事前に予測し、対策を考えて事故発生を未然に防ぎ、事故発生確率を最小限に抑える取り組みを指しています。
そこで、介護事故を未然に防ぐための対策の立て方として、次のような方法を検討しましょう。
介護事故が起きてしまう原因として挙げられるのは、
・注意力が散漫だった
・慎重さが足りなかった
・知識と技術が不足している
など、介護スタッフ側に問題があるケースも見られます。
しかしそれ以外にも、施設の設備や器具などの不具合や欠損など、外的な要因も考えられるでしょう。
さらに業務の流れや人員配置など、システム自体が事故発生の確率が上げていることも考えられます。
なぜ介護事故が起きてしまうのか、様々な角度から原因を探ることで、事故を繰り返さないための対策を講じることにつながります。
重大な事故を防ぐために、介護スタッフから「ヒヤリハット」を収集し、全体で共有しましょう。
「ヒヤリハット」とは、事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」とした「ハッ」とした体験のことです。
ヒヤリハットでとどまったことを介護スタッフが記録し、事例と予防策を共有しましょう。
介護事故防止の対策は、「PDCAサイクル」で対策を更新することが必要です。
「PDCAサイクル」とは、計画(Plan)、実行(Do)、点検(Check)、見直し(Act)のサイクルを繰り返し行い業務改善していく手法を指しています。
対策は介護スタッフ全員に周知していくことでリスクを最小限に抑え、改めて運用を見直し継続的な改善をはかりましょう。