高齢になると、視覚や聴覚だけでなく味覚も衰えるなど身体機能が低下し、さらに認知症など発症することで十分に注意を払うことができなくなります。
そのため取り違えや思い込みなどが起きやすくなってしまい、誤飲や誤食事故が起きるリスクが高くなるといえるでしょう。
介護事業者や介護現場でも、利用者の誤飲や誤食事故が起きないように注意が必要ですが、実際にどのように事故を回避すればよいのか、発生させないためのポイントについて説明していきます。
消費者庁に寄せられた65歳以上の高齢者の誤飲・誤食の事故情報では、医薬品の包装シート・義歯・詰め物・洗剤・漂白剤など誤って飲み込んでしまう事故が多く見られました。
高齢者が食品や医薬品以外のものを誤って口にしてしまう事故は、本人が気づかないうちに起きていることもあり、家族や介護者など周囲の人が注意しておくことが必要です。
また、誤飲・誤食事故を起こさないように、次のような対応を事前にしておきましょう。
PTP 包装シートは、1錠ずつ切り離すことができないように、横または縦の一方向にのみミシン目が入っています。
これは誤飲を防ぐためなので、1錠ずつ切り離さないようにしてください。
食品や薬と勘違いしてて口にしてしまう事故を防ぐためにも、食品・薬・それ以外のものを一緒に保管せず、それぞれ分けて保管するようにしてください。
食品以外にものを、ペットボトルや湯呑など食品用の容器に移し替えることは避けてください。
認知症の方や判断力の低下がみられる方は、想定していないものを口にすることがあります。
家庭用品などの使用や保管に十分注意し、手の届く場所に不要なものや危険なものは置かないようにしてください。
もしも高齢者が間違って食品以外にものを口にするなど、誤飲・誤食事故が発生したときには直ちに状態や誤飲したものとその量を確認し、必要に応じて医療機関を受診するようにしてください。
吐物が気管に入ってしまうことや吐かせると症状が悪化することもあるため、むやみに吐かせず、医師の指示に従うようにしましょう。