介護施設で利用者の転落事故が起きてしまうケースでは、施設側も転落事故が起きないよう十分注意・配慮していたはずなのに…と考えてしまうことがあるようです。
そこで、なぜ介護施設で利用者の転落事故が起きてしまうのか、予防につなげるために発生する背景と原因について知っておくようにしましょう。
転倒・転落事故が起きたときに、介護職員が行っていた業務内容で多いのは以下の通りです。
・見守り中
・他の利用者を介助中
・室内を移動中
・目を離したタイミングだった
・車いすの移乗時
・トイレの移動中
・ベッドへ移乗時
・付添介助中
この中で半数を占めるのが「見守り中」で、介護職員の注意が十分でなかったケースも考えられるでしょう。
「他の利用者を介助中」や「目を離したタイミングだった」など、スタッフの人数が足りていないときや、対応が不可能な状態のときにも事故が発生しています。
施設内で移動しているときにも転倒事故が起きるリスクは高く、車いすが段差に引っかかり転落するケースもあれば、ベッドから移乗するときに床に転落するといったことも起きやすいといえます。
介護現場で転倒・転落事故が起きてしまう原因として考えられるのは、主に次の3つです。
要介護者本人に原因がある場合ですが、次のようなケースが例として考えられます。
・利用者が1人でベッドから降りようとしたとき転落
・車いすの足載せ台に足を載せたまま立ち上がってしまったため転落
体力が衰えていることの自覚がなく、それまでできていたため行動したところ、できなくなっていたというケースもあるようです。
さらに認知症の方の場合、思いつかないような行動でケガを負うこともあり、徘徊による事故なども起きてしまいがちなので注意しましょう。
介護職員の不注意や業務に慣れていなかったことによる事故が該当します。
たとえば、
・利用者をベッドから降ろそうとしたとき誤って落とした
・段差のあるところに車いすを引っ掛けて転倒させた
・トイレへ移動するときずり落ちた
といったケースです。
介護施設の設備や運営に問題があるケースで、次のようなケースが該当します。
・ベッドが壊れていたため転落
・施設の窓からの転落
・転落を防ぐための設備が不十分
介護職員が原因のとこと設備や仕組みが原因のときには、介護事業者に責任が追及されることになるため、社員教育や設備の管理などは適切に行うようにしてください。