脳の血管が破けたり詰まったりすることで、脳の働きに障害が起きてしまう疾患が「脳卒中」ですが、脳卒中になると四肢麻痺・言語障害・せん妄などの精神症状などの後遺症が残ることがあります。
脳卒中は高齢の方に多く見られる疾患のため、もし介護施設利用者の中で脳卒中を発症した場合、これまでのようなケアでは対応できなくなる可能性が高くなります。
そこで、介護事業者が知っておきたい脳卒中の「後遺症」と、実際に脳卒中と診断されたときに必要な対応について説明します。
「脳卒中」とは、脳内の血管が詰まることや破れて出血することの病気の総称であり、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などを含む「脳血管疾患」のことです。
原因として考えられるのは生活習慣といわれていますが、運動不足・食生活・ストレスなど様々な要因があります。
脳卒中になると、右または左半身の手足や顔の麻痺があらわれ、脳損傷部位によって言語障害・めまい・視野狭窄といった症状も見られるようになります。
症状などが「後遺症」として残ることもあり、
・立てない
・歩けない
・話すことができない
・手を使うことができない
など、日常生活に大きな支障をきたすケースも見られます。
脳卒中になってしまうと、その後の対応によってある程度は状態を回復させることができます。
異変を感じたときはすぐに救急車を呼び、
・意識の確認
・呼吸の有無
・みられる症状
などを救急隊員に伝え指示を仰ぎましょう。
ベッドの上で人工的に症状が出ている部分を動かすなど、少しでも早くこのリハビリを行うことが回復に大きく影響することになります。
治療もリハビリがメインとなり、期間も長期化することが多いですが、リハビリにより大幅に回復する症例も多くみられるため根気強く続けて行いましょう。
脳卒中の後遺症として、四肢麻痺や言語障害だけでなく、せん妄など精神症状が強く出る場合もあります。
せん妄がみられるときには、すみやかに精神科に入院して医師と相談し、適切な薬物治療を行うことが必要です。
薬の効果は人によってことなるため、薬との相性を見ることや調整などで3か月から半年は掛かると考えておきましょう。
リハビリ終了後にせん妄がなくなれば、長期間に渡り過ごすことのできる介護付き有料老人ホームなどに入所してもらったほうがよいといえます。