介護士の中には医療機関で働いている方もいますが、医療行為には厳しい制限がされているため注意が必要です。
そこで、医療従事者の定義と介護士でも行うことのできる医療行為について説明していきます。
「医療従事者」とは、医療行為を行うことができる「医師」や「看護師」などのことで、他にも薬剤師・臨床検査技師・放射線技師・救命救急士なども医療従事者として扱われています。
また、リハビリを専門とする理学療法士や作業療法士、鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・はり柔道整復師など代替医療に従事する専門家も医療従事者に含まれます。
医療に携わる職業全体で見たときには介護士も医療従事者に含まれることになりますが、実際に介護施設だけでなく医療機関でも働くことがあります。
介護士の医療行為は禁止されていましたが、現在ではその一部の対応が可能となっています。
介護現場や医療現場で働く介護職でも、国家資格である「介護福祉士」の資格を所有していることで医療行為の一部は可能です。
また、各都道府県で実施される講習を受け「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」の資格を保有することでも一定の条件のもとで一部の医療行為を行うことができます。
なお、介護士でも対応できる医療行為の一部として、次のような行為が挙げられます。
施設利用者の中には、自分で爪切りができず介護士での対応を求めるケースがありますが、巻き爪の方の爪を切る行為は医療行為とされるため、医師または看護師でなければ対応できません。
特に変形などがない爪の爪切りは、介護士でも対応することができます。
利用者に絆創膏を貼ることやガーゼを交換することは介護士でも対応できます。
利用者の痰吸引や経口影響については、介護福祉士や介護福祉士実務者研修の資格を保有し、一定要件を満たした状態であれば対応することが可能です。
他にも介護士でも対応できる医療行為として、
・体温計を使った腋下や外耳道による体温測定
・自動血圧測定器を使った血圧測定
・パルスオキシメーターを使った動脈血酸素飽和度の測定
介護職が利用者に医療行為を行うとき、医師の確認と利用者本人やその家族から了承を得た上で可能となる医療行為は以下のとおりです。
・軟膏塗布
・目薬点眼
・服薬介助
・坐薬挿入
・鼻腔粘膜に対する薬剤噴霧