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医療とリハビリが提供される「介護療養型医療施設(介護療養病床)」の特徴

2022.07.22
分類:その他

重度の要介護者に対して充実した医療処置やリハビリを提供する施設を「介護療養型医療施設(介護療養病床)」といいます。

医療法人が運営しており、他の施設よりも看護師の人員配置が手厚く、インスリン注射・痰吸引・経管栄養などの医療処置に対応する施設です。

比較的費用負担を抑えて利用することもできる施設でもありますが、「介護療養型医療施設(介護療養病床)」とはどのような特徴がある施設なのか、設備の種類などについて説明していきます。

介護療養型医療施設の特徴

介護療養型施設とは、急性疾患から回復期の状態にある寝たきりの方を受け入れる施設で、食事・排泄などの介助の提供はされますが、あくまでも医療的ケアが中心となるため医療機関という位置付けになっています。

特別養護老人ホームなどは終身で入所できますが、介護療養型医療施設では心身状態が改善してきたときに退所しなければなりません。

介護療養型医療施設の利用基準

介護療養型医療施設の入所対象になる方とは、医学的管理が必要な要介護1以上の65歳以上の高齢者で、感染症など治療を必要とする疾患がないことも必要とされています。

65歳以下でも介護認定を受けていれば、入居を相談することができます。

なお、介護療養型医療施設は2012年から新設できず、20243月で廃止されることが決定しています。そのため現状の介護療養型医療施設は定員の9割以上が埋まった状態です。

入所できるまで数か月程度待たなければならないため、待機人数や待機期間など施設に確認しておいたほうがよいでしょう。

「介護療養型医療施設」の主な転換先として、要介護者向けの介護施設「介護医療院」などが検討できます。

介護療養型医療施設で提供されるサービス

介護療養型医療施設では、

・医師による診療

・医師や看護職員による医療ケア

・看護師・機能訓練指導員によるリハビリテーション

・介護職員による介護

などのサービスが提供されます。

痰吸引・胃ろう・経鼻栄養・酸素吸入など医学的管理下で行うケアが充実していることがメリットですが、たとえば掃除・洗濯・買い物などの家事やレクリエーションなどのサービスは提供されていません。

そのため医療ケアや機能訓練を重視し、利用料をできるだけ安く抑えたいときにはメリットがありますが、多床室が多く入居難易度が高いデメリットは留意しておく必要があるでしょう。

医療ケアを受けることを可能とする施設にすぐ入居希望するときは、医療体制が充実した有料老人ホームなども検討視野にいれるとよいといえます。