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介護だけでなく医療関連事業も担当する「介護医療院」とは?

2022.08.17
分類:その他

介護施設といえば、一般的に利用者の介助をメインに行うイメージが強いですが、医療関連事業も担当する施設として「介護医療院」が挙げられます。

医療ケアが充実している施設であり、レクリエーションなどの催しも豊富に行うなど、2018年から創設された介護施設でありながら注目されていることが特徴です。

そこで、介護以外に医療関連事業も担当する「介護医療院」について、詳しく説明していきます。

介護医療院とは?

日本は少子高齢化が進んでいますが、2025年には人口の多い「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となるため、いよいよ超高齢社会を迎えるといえます。

医療や介護を必要とする状態になっても、住み慣れた場所で安心して生活を続けていけるような取り組みが必要ですが、その1つとして注目されているのが「介護医療院」です。

医療ケアが充実しており、長期に渡る療養に対応することもできます。

要介護者向けの介護施設ではあるものの、身体介助だけでなく、医療ケアや生活支援もサービスとして提供されるため、多くの高齢者をサポートできます。

「介護療養型医療施設」が2017年度に廃止されることが決まり、その転換先として新たに設けられた施設が「介護医療院」です。

介護療養型医療施設が担当していた日常的な医学管理・看取り・ターミナルケアなどの医療ケアを行います。

 

介護医療院の運営はなぜ決まったのか

家族の介護や在宅介護が困難なケースでは、病院などに入院させる社会的入院が問題視されていました。

国もこの問題を解決するため、2000年、介護保険制度を施行し介護療養型医療施設を創設しています。

介護療養型医療施設の介護療養型老人保健施設に対する転換も推進されていましたが、進まずに今に至っている状況です。

廃止となる介護療養型医療施設の受け皿に介護医療院が創設され、だんだんと施設数も増えています。

 

今後は医療保険制度と介護保険制度の維持・確保が重要

高齢化が進む中で、慢性疾患を抱える高齢者も増えています。

介護だけでなく医療ニーズも高まっており、病気と共存しながら生活の質(QOL)の維持・向上が必要とされているといえるでしょう。

介護ニーズとしても、重度の要介護者や認知症高齢者の増加で、医療との連携が求められています。

そのため、医療保険制度と介護保険制度が給付と負担のバランスを図りながら、持続・継続していける状況を確保することが重要といえます。