最近では、「自立支援介護」という介護方法が注目されていますが、どのような介護の仕方なのかわからない方もいることでしょう。
そこで、自立支援介護とはどのような介護であり、ケアの仕方や実践するメリットについて説明していきます。
自立支援介護とは、加齢や疾患で介護が必要になった高齢者に対し、自主性を尊重しながら自立した生活を送れるように支援する介護です。
2018年度に介護報酬が改定され、自立支援介護の考え方を重視する傾向が高くなりました。
その目的は、自立支援することにより社会保障費が今より増えてしまうことを抑えることといえます。
さらに利用者にとっても、残存能力を活かした生活が可能になるなど、メリットがあります。
従来までは、介護といえばお世話をすることというイメージでしたが、過剰な介助は介護に対する依存度を高め、自らができることまで奪い身体機能を低下させることになってしまいます。
一方的なサポートではなく、自力でできることを利用者が行い、日常生活の自立を目指す介護が求められます。
自立支援介護では、健康を保つための基本として次の4つケアを実践していきます。
・水分ケア
・栄養ケア
・運動ケア
・排便ケア
これらの基本となるケアに取り組めば、利用者の体調が整いやすくなり、活力や体力もアップさせることができるでしょう。
それぞれの基本となるケアについて説明していきます。
人が生きる上で必要不可欠とされる水分は、高齢者の場合、1日に1500ml以上摂ることが必要とされています。
喉の渇きを感じにくくなってしまっているケースもあるため、こまめに水分摂取を促すことが大切です。
栄養が不足すると寝たきりや認知症になりやすいため、1日1500 kcal以上の栄養を目標に摂ってもらいましょう。
日々の運動は自立した生活に必要不可欠ですが、無理なく体力に合わせて体を動かすことが必要です。
たとえば1日2キロ歩くなど、少しずつ機会を増やし自然に運動できるようにしていきましょう。
3日以内の自然排便を目指しましょう。
便秘に悩んでいる方や便意に気がつきにくい方なども少なくありませんが、下剤など使用せず自然に便秘を改善する方法を考えることが大切です。
特に水分不足気味の方は便秘になりやすいため、1日1500mlの水分量で便秘を改善させていき、改善が見られないときにはオリゴ糖や乳酸菌などを食事にプラスするとよいでしょう。