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金融資産が多いと特別養護老人ホームの料金が高くなる?その仕組みを簡単に解説

2023.03.27
分類:その他

高齢化が進む日本では、介護を必要とする方も増え、利用料を抑えることができる特別養護老人ホームに入所を希望するケースも増加傾向にあります。

しかし特別養護老人ホームは、その施設運営の性質などから金融資産を多く保有している方は利用料金が高くなってしまいます。

そこで、なぜ金融資産が多いと特別養護老人ホームの料金が高くなるのか、その仕組みについて簡単に解説していきます。

特別養護老人ホームの利用料の仕組み

特別養護老人ホームの利用料は、次の方たちの合計所得によって負担限度額が決まります。

・利用者本人

・その配偶者

・子(扶養義務を負う方)

「合計所得」は以下のとおり計算します。

合計所得=年間収入-(公的年金控除+給与所得控除+必要経費)

基礎控除や本人・扶養家族の状況で対象となる所得控除前の額です。

たとえば特別養護老人ホームは介護保険適用の介護施設のため、その運営は自治体や社会福祉法人にのみ許されています。

税金が投入される介護施設であり、増築・改築など修繕においても補助金を受けることが可能となります。

さらに社会福祉法人が特別養護老人ホームを運営している場合、法人税・住民税・事業税は納めなくてもよいなど、税制面での優遇措置もあり、融資面でも優遇されます。

そのため介護施設の利用者が負担する利用料も、年収や金融資産などの金額によって安く抑えることができるようになっています。

金融資産が多いと負担が重くなる理由

特別養護老人ホームの場合、負担限度額認定によって第1段階から第4段階までに区分された1日に支払う利用料の限度額が決定します。

202281日からは食費と居住費の負担限度額も変更されており、この見直しまではこれまでと異なる段階になるケースも見られます。

それにより1か月の利用料が跳ね上がってしまい、年金の範囲ではおさまらないといった問題も出てきているようです。

預貯金条件などが見なおされたのは、高齢化が進む中で必要とされるサービスを必要とする方に提供するためであり、公平性や持続性を保つためとされています。

一定以上収入などがある場合には、負担能力に応じた負担を求めるという対応なのでしょう。

預貯金など金融資産で不足分を補填すればよいともいえますが、多いとはいえない年金の方の場合、コツコツと貯めていた貯金を取り崩すことに抵抗を感じることもあるようです。