介護事業を運営するときには、事業所の収入源である介護報酬などが大きく影響することになります。
次回の報酬改定なども気になるところといえますが、財務省は要介護1・2の訪問介護や必要なサービス提供の枠組みを構築する必要があるため総合事業に移行すべきとしています。
段階的に生活援助など地域実情に合わせた多様な主体で効果的・効率的なサービス提供を可能にするべきとしていましたが、まだ決まったわけではありません。
介護事業運営に財務省の議論が影響するのかが気になるところですが、次回の報酬改定はどうなるのかなども踏まえて、現時点の情報をお伝えしていきます。
2022年11月7日、財務省は財政健全化の道筋を話し合うための審議会を開催し、社会保障の改革についても取り上げました。
介護保険制度改正についても言及し、要介護1と2の訪問介護・通所介護を市町村の総合事業に移転する構想についても、具体的な検討を進めるべきと提言しています。
しかし実際に介護現場で働く関係者などは、総合事業はまだ未成熟であることや、重度化を招くことを理由に強く反発しています。
そのことを念頭に、段階的に具体化すべきとの文言を追記したため、2024年度改正の完全実施は見送られたといえるでしょう。
介護報酬改定は3年に1度実施されますが、まずは財務省で介護を含めた社会保障に関する議論が行われます。
その議論を踏まえて医療が2年に1度改定され、その決定を参考にして介護・障害福祉の報酬が改定されます。
財務省で議論される内容を知っておくことで、介護報酬改定を予測することができるともいえるでしょう。
2024年は医療保険・障害者総合支援法の改定も迎えることになるため、医療・福祉の大きな転換年になるとも言えるでしょう。
介護保険は制度が改正された当初から、高齢者と現役世代の保険料負担が人口比のみで簡単に設定されています。
後期高齢者医療制度は高齢者の保険料負担を抑えるため、当初から後期高齢者の保険料負担割合は給付費の1割にほぼ固定されています。
しかし高齢化が進むにつれ、現役世代の負担する1人あたりの支援金を増やすこととなり、後期高齢者1人あたりの保険料の伸びを大きく上回っています。
そのため今後は、現役世代の支援金の伸びを後期高齢者保険料の伸びの水準まで抑える制度改正が必要とされています。
以上の流れから、次の報酬改定では、利用者の自己負担が増えることが予想されます。