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終末期を過ごすホスピスとはどのような施設?その内容を簡単に解説

2023.05.25
分類:その他

「ホスピス」とは、余命を受けた終末期の方が、病気で起きる身体的な苦痛や不快感を緩和しつつ最期を穏やかに過ごしてもらうための施設です。

 たとえば緩和ケア病棟やホスピス型介護施設などがホスピスとして挙げられますが、医療専門スタッフが身体的・精神的・社会的など総合して入所者とその家族の生活をサポートします。

 そこで、終末期を過ごすホスピスとはどのような施設なのか、その内容について簡単に解説していきます。

ホスピスとは

 「ホスピス」とは、完治が見込めない病気などにより残された時間が限られた方に対し、最期を穏やかに迎えてもらうためのケアを提供する施設です。

 もともとはターミナル期(終末期)の苦痛を緩和する治療やケアを行うことを意味する言葉でしたが、ケアを行う施設自体を「ホスピス」と呼ぶようになりました。

 厚生労働省に申請し、認定された施設であり、病院の緩和ケア病棟などの一部施設も含まれます。

 

 ホスピスケアとは

 ホスピスが行うケアを「ホスピスケア」といい、残された時間が短い方に対するケアです。

 がんの罹患者などに実施されるケアで、治療と並行して行う場合もあります。

 身体的な苦痛を緩和させながら、精神的なケアも行いますが、もともとは病院の緩和ケア病棟がその役割を担っていたといえます。

 近年は病院以外に、老人ホームで終末期を迎えるケースが多くなったため、特別養護老人ホームなどでもホスピスケアが提供されるようになりました。

 また、ターミナル期(終末期)を自宅で過ごしたい方も少なくないため、在宅ホスピスも注目されています。

  

ホスピスの利用対象者

 ホスピスの利用対象者は、がん(悪性腫瘍)やAIDS(後天性免疫不全症候群)の罹患者で、難病の方などは専門病棟がある場合もあります。

 状態が回復するケースもあり、在宅療養が可能になれば退院するケースも見られます。

  

ホスピスで利用できるサービス

 たとえば、がん罹患者の場合には、抗がん剤投与など治療目的の医療行為は原則行われず、痛みがあれば医師の診断のもとで痛み緩和目的とした次の処置が行われます。

 ・医療用麻薬の投与(モルヒネなど)

・鎮痛剤

・放射線治療・外科的治療(症状の緩和目的のみ)

・点滴

・酸素療法

・マッサージ

 医師・看護師・薬剤師・介護士・管理栄養士・生活相談員・機能訓練指導員など、専門職が連携し、チームでケアを行います。

 他にも心理士による精神ケアや、ソーシャルワーカーによる経済的問題の相談・支援なども実施される場合があります。