「ターミナルケア」とは、病気が治る可能性のない「ターミナル期」の医療的・介護的ケアのことです。
耳にしたことはあっても、実際にどのようなケアを行うのかよくわからないという方も少なくないため、ターミナル期における医療的・介護的ケアを行うターミナルケアについて解説していきます。
疾患を患う方は、症状の経過や時期、必要な処置に応じ、急性期・回復期・慢性期・終末期などに分類されます。
このうち、「ターミナル期(終末期)」とは病気が完治する可能性がなく、数週間や半年程度で死を迎えることが予想される時期のことです。
そのためターミナル期の方には、延命ではなく死を目前にした残された時間における身体的・精神的な苦痛を緩和するケアが必要となります。
「ターミナルケア」とは、ターミナル期の方に対し、医療・看護・介護のケアであり、残された時間を心穏やかに過ごしてもらうため、痛み・不安・ストレスなどを緩和することを目的とします。
自分らしい生活の質を向上・維持することを目的としており、一般的には病気が治癒する見込みがなく、積極的な治療を断念するしかない場合や寝たきりで食事することができなくなったときに行うケアといえます。
終末期のターミナルケアでは、主に次の3つのケアを行います。
・身体のケア
・メンタルのケア
・手続のサポート
それぞれのケアについて説明していきます。
ターミナル期に行う身体のケアは、投薬などによる痛みや辛さの緩和です。
がんを患っている方など、身体の様々な部分に痛みを感じることもあるため、投薬などにより痛みを緩和したり辛さを和らげることも必要になります。
また、体を清拭することや身だしなみを整えること、床ずれ防止や食事代わりの点滴なども含まれます。
ターミナル期に行うメンタルのケアは、不安・ストレス・恐怖などを取り除いて心穏やかに過ごしてもらうことです。
気持ちに寄り添いながら話を聞いて、家族や友人と過ごす時間や趣味の時間などを充分に楽しんでもらうことが必要となります。
ターミナル期には、ケアにかかる費用や関係各所との連絡・手続などが負担になることもあります。
そこで、ケアマネジャーなどスタッフも連携しながら、家族の話や悩みを聞き、支援制度を紹介したり情報提供したりといったサポートも行います。